（2025/02/15）

データ分析・解析

1. ジャンル別の分布と人気傾向

異世界ファンタジー（640 冊） と 冒険・バトル（396 冊） が圧倒的に多く、全体の約 31% を占めている。

「異世界」タグ（84 冊） と 「魔王」タグ（68 冊） が目立ち、定番の異世界転生・転移や魔王討伐のテーマが根強い人気。

「剣と魔法」タグ（65 冊） や 「勇者」タグ（59 冊） も多く、古典的なファンタジー要素が好まれている。

スローライフ（94 冊） が次点の人気。

「のんびり（14 冊）」や「グルメ（10 冊）」 のタグから、ストーリー性よりも癒しや日常描写が求められている傾向が見える。

ダークファンタジー（72 冊） も一定の支持があるが、ホラー要素の強い 「グロ（6 冊）」や「闇落ち（6 冊）」 に偏りが見られる。

内政・領地経営（46 冊） や 戦記（32 冊） は少数派。特に 「技術改革（2 冊）」や「国家間戦争（2 冊）」 などの重厚なテーマは少なく、日常寄りの内容が多い。

2. タグ別の詳細な分析

「サモナー」「通販」「農業（内政・領地経営）」「英雄譚」「軍団」「将軍」「帝国」「成長譚」「死霊術」「サキュバス」 の 10 タグは 0 冊。

サモナーや成長譚などのマニアックなテーマ、重厚な戦記系、ダークな要素は需要が少ない。

一方で、「魔王」「異世界」「剣と魔法」 などの 王道設定 が多く、読者が慣れ親しんでいる安心感のあるテーマが好まれる。

「ざまぁ（6 冊）」 が少ないのは意外。

最近のトレンドを踏まえると、追放された主人公の復讐劇などが少ないことがわかる。

3. 書籍化状況の分析

未書籍化：633 冊（99%）、書籍化済：7 冊（1%）

圧倒的に未書籍化が多い。

特に 「2～10万字（247 冊）」と「10～20万字（143 冊）」 に集中しており、短編～中編の作品が多い。

書籍化された作品の特徴：

全ての作品が 「2万字以上」 で、「50万字以上」 の長編が 1 冊のみ。

長編よりも、中編～やや長編の作品が書籍化されやすい。

4. 連載状態の分析

連載中：470 冊（74%）、完結済：170 冊（26%）

4分の3が連載中の作品。特に 「2～10万字（204 冊）」 と 「10～20万字（98 冊）」 が多く、読者を引き付け続けている。

完結済作品は短編が多い：

「2万字以下（60 冊）」 が多く、短いエピソードをまとめた形が好まれる。

「50万字以上」 の長編はわずか 2 冊と少数。

5. 除外条件の影響分析

残酷描写有り：339 冊、暴力描写有り：328 冊、性描写有り：520 冊

性描写を含む作品が 全体の約 15% を占めている。

残酷・暴力描写を含む作品も多く、ややダークでシリアスな世界観が一定の支持を得ている。

特に 「残酷描写 + 暴力描写 + 性描写」 の 3要素すべてを含む作品：278 冊 と、約 8% を占める。

ダークファンタジーやバトル系に多いと推察される。

【考察】

定番ジャンル（異世界、魔王、勇者、剣と魔法） の人気が圧倒的。王道ファンタジーの安定した需要がある。

スローライフ系の需要増加：のんびりした日常を求める読者が増加。現代のストレス社会が影響している可能性がある。

ダークファンタジーの需要も一定数 存在するが、ニッチなテーマ（死霊術、サキュバスなど）は需要が少ない。

書籍化は少数 だが、中編～長編（特に 2～20万字）の作品が書籍化されやすい。

連載中の作品が多く、継続的な読者の獲得を狙っている が、完結に至る作品は少ない。

残酷・暴力・性描写の要素が多め。ただし、これらを除外すると対象が減るため、フィルタリングにより読みたい作品が少なくなる可能性がある。

【結論】

王道ファンタジーは安定の人気：異世界、魔王、剣と魔法などの古典的なテーマが好まれる。これらの要素を抑えることで、広い読者層にアプローチできる。

スローライフ系は今後さらに需要が高まる可能性：のんびり系、グルメ系など、癒しを求める読者層をターゲットにすると良い。

ダークファンタジーはニッチだが熱狂的なファン層が存在：暴力描写やグロ要素を含めることで、差別化を図れるが、万人受けはしないため注意が必要。

書籍化を狙うなら中編（2～20万字）を意識：短すぎず長すぎないボリューム感が、出版業界での受け入れられやすさに繋がっている。と思われる。

完結済の短編にも需要があるため、短編集やオムニバス形式での展開も有効：ユーザーの嗜好に合わせた多様な構成が求められると思う。