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第50魔:パパの実家

「オウ、よく来たね、沙魔美ちゃん、堕理雄」

「新年あけましておめでとうございます、お義母かあ様。今年もよろしくお願いいたします」

「ああよろしく。本当に沙魔美ちゃんは、うちのバカ息子には勿体ない良い子だね」

「フフフ、そんなことございませんわ、お義母様」

「……」

「堕理雄、あんたもそんなとこに突っ立ってないで、さっさと中に入りなよ。寒いんだから」

「……ああ」


 また沙魔美が早速、外面モードになってやがる。

 普段は傍若無人が服を着ないで歩いてる様なやつのくせに、こんな時だけイイ子ちゃんになるのは若干イラッとする。

 まあ、お袋の前でいつも通り振る舞われるよりはマシかと、割り切ることにしよう。


 正月ということで、久しぶりに阿佐田あさだ市の実家に帰って来た。

 むしろ去年の正月に帰ったきりなので、ちょうど一年ぶりだ。

 まさか一年前は魔女の彼女と一緒に帰省することになるとは、初夢にも思わなかったが……。


「う、うおおおおお! だだだ堕理雄! このべっぴんさんが、本当にオメェの彼女なんか!?」

「じいちゃん! 恥ずかしいからデカい声出さないでくれよ!」

「あらあらおじいさん、私はだーくんは昔からモテると思ってましたよ」

「ばあちゃんも! それはそれでハズいから、そういうことは言わないで! あと、いい加減俺のこと『だーくん』て呼ぶのはやめてくれよ! 俺ももう二十歳なんだからさ」

「何言ってるのよ。私にとっては、だーくんはいつまで経ってもだーくんよ」

「はじめましておじい様、おばあ様。堕理雄さんとお付き合いさせていただいている、病野沙魔美と申します」

「あーどーもどーも! 堕理雄のジジイです!」

「だーくんのババアです」

「雑だな!? そんな自己紹介ある!?」


 この二人は俺の母方のじいちゃんとばあちゃん。

 いい歳をして未だに近所でも評判のおしどり夫婦で、何をするにもいつも二人一緒だ。

 正直見てるこっちが恥ずかしくなる。

 じいちゃんはうちの植木屋『松竹園しょうちくえん』の創業者で、今は社長業はお袋に譲って半分引退した身だが、たまに仕事のやり方でお袋と口喧嘩をしている。

 じいちゃんもお袋も職人気質で頑固なため、お互いの意見を一歩も譲らないのだ。

 まあ、そういう時は大抵ばあちゃんが間に入って、上手く収めているらしい。

 ある意味普津沢家はばあちゃんで成り立っているとも言える。


「なあ堕理雄。実はオレもばあさんも、未だにゴア・マ〇ラが倒せなくてよ……。堕理雄、何かいい方法知らねーか?」

「二人共その歳でまだモン〇ンやってんのかよ!? 元気だなホント!」

「おじい様、それでしたら、小回りの利く武器で攻撃を避けることを第一に考えながら、後ろ脚をチクチク攻撃すれば比較的安全に勝てますわ」

「オオ沙魔美ちゃん! あんた詳しいね! 今度オレと一狩り行かねーか?」

「私も沙魔美ちゃんと一狩り行きたいわ」

「ええ、是非」

「……」


 精神年齢が十四歳な者同士、早速意気投合しやがった。

 まあ、仲良くなれたようでよかったけど。


「みんな、おせちの準備ができたから、こっちにおいで」

「オウ福与、今日は正月だし、熱燗一本出してくれ」

「ちょーしに乗んなクソジジイ。酒は医者に止められてんだろ」

「そう言うなよ福与。白〇げも、『飲みてェモン飲んで体に悪ィわけあるか』って言ってるぞ」

「それも漫画のネタかい? アタシは漫画はあんま読まないから、わかんないよ」

「チェッ、ノリ悪ィな。オレの娘なのに、何でこーなったかね」

「父親を反面教師にしたからだよ」

「何だとこのクソ娘が!」

「やんのかクソジジイ!」

「ほらほら二人共、今日はせっかく沙魔美ちゃんが来てくれたんだから、みっともない真似はやめて、ね?」

「「ぐっ」」


 おおう。

 流石ばあちゃん。

 長年この二人をあしらってきただけのことはある。

 俺が沙魔美みたいなやつと一緒にいられるのは、ばあちゃんの血が濃いからなのかもしれない。


「まあ確かに、こんな日に喧嘩するのもあれか。じゃあみんな、適当なとこに座っとくれ」

「はい、失礼します。まあ! とっても美味しそう!」


 テーブルの上には、黒豆、数の子などの定番のおせち料理から、鯛や伊勢海老の焼き物まで、そうそうたる顔ぶれが並んでいる。

 今まで普津沢家でこんな豪勢なおせち料理が出たことなど一度もない(いつもはお雑煮オンリーとかだ)。

 お袋のやつ、沙魔美が来るからって見栄を張りやがったな。


「あ! 伊達巻もある!」

「おや? 沙魔美ちゃんは伊達巻が好きなのかい?」

「え? ああ、そういうわけではないんですけど……何故かしら? つい最近、伊達巻を食べたような気がするんですよね」


 ……。

 ノーコメントで。


「ま、いっか。では、遠慮なくいただきまーす!」

「オウ、ジャンジャン食ってくれ」

「じいさん、作ったのはアタシだよ」

「うるせーぞ福与! お前が作ったってことは、お前を作ったオレが作ったよーなもんだろーが!」

「何だよその謎理論」

「フフフ」

「え? 沙魔美ちゃん、何かおかしかったかい?」

「いいえお義母様、とっても楽しいご家庭で羨ましいなと思ったんです。堕理雄さんのルーツがわかったようで、私嬉しいです」

「そうかい、そいつはよかったよ。でも、沙魔美ちゃんの家も、家族は仲良しなんだろ?」

「ええ、特に両親の仲は良いですね。パパなんて、四六時中ママに監禁されてるくらいですから」

「「「え」」」

「バッ! 沙魔美!!」

「え? 私何か変なこと言った?」

「変なことしか言ってない! ちょっとこっち来い!」


 俺は沙魔美を部屋の隅に連れていって、小声で注意した。


「沙魔美、お前にとって監禁は愛情表現の一種なのかもしれないけど、普通の人にとっては、犯罪以外の何物でもないからな? おいそれと、監禁の話題を人前で吹聴するんじゃない」

「そうなの!? じゃあ、どこで吹聴すればいいの!?」

「墓場まで持っていけ」

「二人共、何をコソコソ話してんだい。せっかくだから沙魔美ちゃんの家のことを、もっと聞かせとくれよ」

「もちろんですお義母様。あ、何なら今、ママとパパをここに呼びましょうか?」

「え? いいのかい? そんな急に」

「ノープランです!」

「ノープロブレムな! 沙魔美、ご両親もお正月でお忙しいだろうから、無理を言わなくても……」

「全然無理じゃないわよ。ママとパパも、お義母様達にお会いしたがっていたし。あ、もしもし、ママ?」

「ちょっ!」


 沙魔美が急に独り言を言い出した。

 いや、きっとお母さんと念話をしているに違いない。

 マズいぞ。

 もしもお母さんが来るとなったら、またきっと……。


「一秒後に来るそうです」

「え? 一秒?」


 バキバキバキバキ、バキンッ


 突然巨大な指が天井を突き破り、俺の実家の屋根を剥ぎ取った。

 開放感溢れる天井から、全長六十メートルはあろうかという、人型のバケモノが顔を覗かせた。

 そのバケモノの肩に、この世のものとは思えない程、妖艶なマダムが乗っている。


「はじめまして普津沢家のみなさん。アタシは沙魔美の母親の弩羅恵どらえです」

「「「……あ、どうも」」」


 酸いも甘いも嚙み分けた普津沢家の面々も、流石に家の屋根を剥ぎ取られた経験はなかったらしい。


「セイッ」


 お母さんは伝説の超魔神ラグナロクジェノサイドトールハンマーザッハトルテアポカリプス(久々に言ったけど相変わらずクソナゲー名前だ)の腹辺りまで浮かびながら移動すると、伝説の超魔神ラグナロクジェノサイドトールハンマーザッハトルテアポカリプスに思いっきり腹パンした。

 あああ!! まただー!!!

 銀河系がー!!!! 銀河系があー!!!!!

 伝説の超魔神ラグナロクジェノサイドトールハンマーザッハトルテアポカリプスは無言でのたうち回った後、二メートル四方くらいの物体を、口から吐き出した。

 もちろんこの方は、


「はじめまして普津沢家のみなさん。僕が沙魔美の父親の杜斗もりとです」


 である。


「「「……」」」


 今度は三人とも、無言でガキ使の腰フリおばちゃんみたいな顔になっていた。

 ……ニャッポリート(新年一発目)。




「そうですか、弩羅恵さんも沙魔美ちゃんも、魔女なんですねえ」

「あれじいさん? アタシ教えてなかったっけ?」

「聞いてねーよ福与! なんでそんな大事なこと黙ってたんだ!?」

「もう言ったと思ってたから」

「でも言ってなかったんだよ! だからオレ達今、こんなビックリしてんだろーが!?」

「まあまあ二人共、せっかく沙魔美ちゃんのご両親が来てくれたんですから、恥ずかしい真似はやめて、ね?」

「「ぐっ」」

「いえいえ、こちらこそ急に押しかけてきて、申し訳ございません。これ、お年賀です」

「おーこれはご丁寧にすいません。オッ! これ東京の有名店のどら焼きじゃないですか! オレ、これ一度食ってみたかったんですよ!」

「それはよかったですわ」


 ……あれ?

 案外みんな、すんなり受け入れたな?

 天井が青空教室になって、そこから巨大なバケモノが顔を覗かせていて、傍らには檻に監禁された中年男性がいても、人って意外とすぐ順応できるものなんだね(白目)。

 また沙魔美に、後で屋根は直してもらわなきゃな。


 そこから先は沙魔美のお母さんもモン〇ンをやっているという話題から場は大いに盛り上がり、今日だけは特別に熱燗を振る舞われたじいちゃんは、特に上機嫌だった。


「そうだ! 沙魔美ちゃん、堕理雄、これ、オレから少ないけど、お年玉だ」

「え? いいよじいちゃん。俺ももう二十歳だし」

「何言ってんだ。いくつになってもお前は俺の孫だ。ジジイ孝行だと思って貰ってくれよ」

「そうよ堕理雄。せっかくのおじい様のお気持ちなんですもの。ありがたくいただきましょうよ」

「ハハッ! 沙魔美ちゃんはよくわかってるじゃねーか!」

「……まあ、そういうことなら」


 俺と沙魔美はじいちゃんから、小さなポチ袋をありがたく受け取った。


「アタシからもお年玉だよ、沙魔美、お婿さん」

「わー、ありがとうママ」

「え!? 俺にもいただけるんですか!?」

「もちろんじゃない、ハイ」

「え」


 そう言うとお母さんは厚さ五cm程ある大きなポチ袋(ポチ箱?)を、俺と沙魔美にそれぞれくれた。

 も、もしかしてこれ……。

 恐る恐る中身を確認してみると、案の定札束が五束入っていた。

 念のためもう一度確認してみたが、やっぱり五束入っていた。

 多分沙魔美も同様だろう。


「いやいやいやいやいや!! これは流石にいただけませんよお母さん!!」

「何だ堕理雄、そんなに沢山いただいたのか?」

「いや、じいちゃん! 沢山と言うか……何と言うか……」

「?」


 これは絶対にじいちゃんには見せられない……。

 あまりにもじいちゃんが惨めすぎる。

 忘れていた。

 沙魔美のお母さんはこういう人なんだった……。


「そう言われたってお婿さん。アタシがせっかく用意したんだから、それを受け取らないほうが失礼だとは思わないかい?」

「で、でも……」

「じゃあこうしましょ堕理雄。私が堕理雄の分も預かっておくから、これを将来の私達の結婚式費用にしましょうよ」

「え!? そ、それもちょっと……」


 それじゃ結局、受け取るのと大して変わらないじゃないか……。


「ハハッ、もう結婚式の話をしてんのかい? いいじゃないか堕理雄、せっかくお母さんがお気持ちでくれたんだ。ありがたく結婚式費用にさせてもらいなよ」

「お袋」


 お袋だって金額を知ったら、絶対そんなこと言ってられないぞ。


「僕からも頼むよ堕理雄君。弩羅恵は言い出したら聞かない子だからね。弩羅恵の顔を立てると思って、受け取って貰えないかい?」

「お父さん……」


 そこまで言われたら……。


「……わかりました。お気持ちはありがたく頂戴いたします。沙魔美、預かっておいてもらえるか?」

「承知したわ、あなた」

「まだ『あなた』は早い」


 やれやれ。

 こりゃ必要以上に盛大な結婚式にさせられそうだ。

 名古屋の結婚式みたいになったらどうしよう……。

 トラックの荷台に嫁入り道具を満載にして、町を疾走したりするんだっけ?

 本当は結婚式の費用とかは、自分達だけで稼ぎたいんだけどな。

 ままならないのが人生とは、よく言ったもんだ。


「ねえ堕理雄、もしよかったら、私堕理雄の部屋を見てみたいんだけど」

「え? 俺の部屋なんて見ても、何も面白いもんはねーぞ」

「そんなことないわ! ねえいいでしょ?」

「うえぇ、でも……」

「いいじゃないか堕理雄。アタシ達は沙魔美ちゃんのご両親と積もる話もあるから、あんた達は部屋に行っといでよ。まだ昔のままにしてあるよ」

「お袋……」

「ホラ! お義母様もこう言っていただいてるし、行きましょ行きましょ!」

「うわ、わかったから押すなって!」


 はああ。

 彼女に実家の部屋を見られるのとか、超恥ずかしいんだけど……。




「へええー。ここに高校生まで、堕理雄が監禁されていたのね」

「されてねーよ。普通に住んでたんだよ。お前は狭い空間は、全部監禁部屋に見えるのか?」


 お袋が言った通り、俺の部屋は昔のままになっていた(今は天井は開放的になっているが)。

 もうこの家を出てから二年近くが経つが、この部屋に来ると今でも高校生の頃の記憶が、湧き水の様にどんどんと溢れてくる。

 まあ、主に思い出されるのは、菓乃子とこの部屋でイチャイチャしたことなのだが……(これは絶対に、沙魔美には言えない)。

 それにしても、どれもこれも懐かしい。

 壁に貼られた当時流行っていたアーティストのポスター。

 巻数の位置がバラバラで、本棚に詰まった漫画本。

 机の上に整理されて置かれている、セクシーな書物。

 机の上に整理されて置かれている、セクシーな書物!?!?


「うわあああああ!!!! お袋のやつー!!!!」


 俺は光の速さでセクシーな書物を抱え込んだ。


「え!? 堕理雄、どうかしたの!? 監禁しましょうか!?」

「どさくさに紛れて欲望を満たそうとするな! 何でもないからこっちを見ないでくれ!」

「ふーん。ところで堕理雄って、昔から黒髪巨乳美女が好きだったのね」

「なっ!?」


 こいつ俺より早く、セクシーな書物のタイトルをチェックしてやがった。


「よかったわね。黒髪巨乳美女と付き合えて」


 沙魔美はドヤ顔で俺の肩に、ポンと手を置いてきた。

 ぐぬぬぬぬぬ。

 俺はセクシーな書物を裏返しにして机の上に置いてから言った。


「……別に俺は、お前が黒髪巨乳美女だから、付き合ってるわけじゃないぞ」

「トゥンク! ……堕理雄」

「……沙魔美」


 俺達はキスを……しかけて、アッブネー! と踏みとどまった。

 実家で何をしてるんだ俺は!?

 すぐ近くに、俺の家族と彼女の家族がいるというのに。


「い、いやあ、懐かしいなあ。この机でよく、一夜漬けでテスト勉強したっけ」


 俺は無理矢理話題を逸らした。


「フフ、堕理雄らしいわね。アラ? これは」


 沙魔美は机の棚に置いてある、一冊の本を手に取った。


「ああ、それは俺の高校の時の卒業アルバムだな」

「キャー! 見たい見たい! 見てもいい!?」

「い、いいけど……何か恥ずかしいな」

「いいじゃない、減るもんじゃないし! 後で監禁してあげるから」

「後で監禁しないなら、見てもいい」

「じゃあそれは後で検討しましょ」

「しないとは言わないんだな……」


 沙魔美は嬉々としてアルバムをめくった。


「ブヒィー!! 堕理雄はっけーん!! ああああああガワイイわあああ!! この頃の堕理雄を、監禁してみたかったわああああ!!!」

「やめろ! 高校生を監禁したら犯罪だぞ!」


 いや、成人男性でも、監禁は犯罪だが。


「ハッ! 菓乃子氏も見っけ! キャー! この頃の菓乃子氏は黒髪おかっぱだったのね!? とってもキャワイイわあ! この頃の菓乃子氏ともチューしたいわー!!」

「よさないか!! お前さっきから完全に不審者だぞ!!」

「アラ? ……この人」

「ん? 知ってる人でもいたか?」

「い、いえいえ! 全然誰も知らないわ!」

「そんな露骨に今後の伏線になりそうな台詞を……」

「ハア~、当たり前だけど、私と出会う前も、堕理雄には堕理雄の人生があったのよね……」


 沙魔美はアルバムを閉じながら、少しだけ寂しそうな顔で言った。


「そりゃあな。じゃなかったら俺は今、ここにいないからな」

「でも、今までの堕理雄の人生に私が関わってこられなかったのは、ちょっとだけ残念だわ」

「……そんなこと言っても、仕方ないだろ」

「そうだわ! 私が魔法でタイムリープして、実は子供の頃に私達は出会っていて、結婚する約束をしてたってことにしましょう!」

「それだけは絶対によせ! ……沙魔美」

「え?」

「……確かによくあるラブコメの主人公とヒロインみたいに、俺達は子供の頃、結婚する約束はしてなかったかもしれない。でも、そんな後ろ盾が何もないのに、俺達が今こうして一緒にいられるのって、逆に凄いことだとは思わないか?」

「!」

「それに俺達はまだ二十歳だ。八十歳で死ぬとしても、あと人生の四分の三も一緒なんだぜ? よく言うだろ、夫婦が一番長く人生を共に過ごすって。俺達の親は俺達より先に天国に逝くだろうし、俺達の子供もいつか俺達の元から旅立つ。最後まで一緒なのは夫婦だけだ。それだけ夫婦ってのは特別な存在なんだ。……それじゃ不満か?」

「……ううん、ごめんなさい。私が間違ってたわ」

「わかってくれたならいいよ」

「……堕理雄」

「……沙魔美」


 今度こそ俺達は、実家にもかかわらず、熱いキスをした。


「フフフ、堕理雄」

「え!? オイ、ちょっと!」


 沙魔美は俺の手を引き、ベッドの上に倒れ込んだ。

 結果、俺が沙魔美の上に覆い被さるような体勢になった。


「いやいや! これは流石にマズいよ! みんなにバレたらどうすんだ!?」

「大丈夫よ。ママもパパと結婚する前、パパの実家でしたことがあるって言ってたから」

「あ、そうなんだ」


 そういうことなら、まあ……




 とはならねーよ!!(ノリツッコミ)

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