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古牧亜造
古牧亜造
夏坂ナナシ
現実世界仕事・職場
2025年01月30日
公開日
1.2万字
完結済
『不正大国日本』大手企業からテレビ局も、隠された不正が渦巻く現代。
だが、その闇に挑む新たな探偵がいた——その名も"闇探偵"。外部監査が動く前に、独自の手法で事件を解決する存在。
最近、記者会見を開いて批判を浴びたテレビ局。かつてそこで放送され、名作と称えられた探偵ドラマがあった。
その名探偵に憧れる主人公は、一万字という文字数制限の中で、
筆者の"ご都合主義"による画期的なパワー推理を武器に、不祥事事件に挑んでいく。
果たして彼の推理は真実を導くのか、それとも一万字を超えてしまうのか。異色の短編推理劇!

オープニング

 えー読者の皆様、初めまして。

 私、古牧亜造と言います。

 わりとシックな恰好をしていますが、実はまだ四〇代。ちょっと、年寄に見えますでしょうか?

 んふふ。けど、このミステリアスな風貌、とても魅力的に感じませんか?

 私、自分でいうのもあれですが、結構女性にモテモテで......。

 え?

 この話の始まり方、どこかのドラマで見たことありますか?

 いーや、ばれてしまいましたか。

 てか、あらすじ読みましたか?

 ここだけの話、実はそうなんですよ。

 私もあの探偵のドラマ、そうです。俳優の田村正和さんが主演のあのドラマが大好きで、何と、名前から恰好まで、全て近づけてみました。

 どうでしょうか。なかなかいけてませんか?

 え? コスプレ?

 いやーそう言われると正直、心が痛みますが、”お気持ちお察しします”。

 でも、真似したくなるくらい、私にとって、尊敬できる人物であり、この私の言葉を紡いでいる、画面の向こうの筆者自身、あの探偵ドラマと、そして脚本を書いた人を溺愛しています。

 それでは、ちょっと話が遠回りしましたね。

 今回のオープニングですが、今回は、というか、現実問題として、殺人事件の解決はいたしません。私は。血を見ると怖いですし、そもそも殺人現場に探偵は入れません。

 え? あのドラマの主人公は、警察所属だって?

 お前も警察に入れバカって?

 辛辣ですね~。

 いーや、そうなんですよ全く。

 でも残念ながら、面接で落ちまして......。

 そうです、そうなんですよ! この人手不足の、この時代に。

 警察愛を語ったつもりでしたが、どうしてでしょうか......。

 んー......。謎は深まりますね......。


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