私は旅をした。
理解できないという【心】を理解するために。
【人間】を理解するために。
ちっぽけな日本という国を飛び出して、隣の大きな大陸にいった。
どうやらそこは、中国というらしい。
雨が降り注いでいた日本とはうって変わり、中国という国では火事がたくさんおこっていた。
それなのに、人間はどこにもいない。
答えを聞きたい人間が…どこにもいなかった。
そして日本のように、緑生い茂るビル群があるというわけではなかった。
激しい攻撃があったのか、ビルは粉々に倒壊したような跡がある。
人間を見つけるためにそんな世界をする私。
今日は、いろいろなものを初めて見た。
しばらくさまよっていると、保護カプセルを見つけた。
その中には、女の子が入っていた。
きっと、人間の女の子。
見たところ欠損部分はない。
私は答えを聞くために、その女の子を外に出したんだ。
カプセルから出た女の子は、すぐに息をした。
「大丈夫?」
私が放ったその一言を、彼女は飲み込んで、言った
「近づくな!化け物!」
なにか、強い痛みを感じた。
私はその女の子に、質問することはできなかった。
あれだけ探していた人間を前にして、一刻も早くこの場を離れたいと思った。
なぜなのだろう。
なぜ、私はこの女の子を見ることはできないのだろう。
女の子をその場に置き、私はいったん離れることにした。
そしてすぐに人間について調べ始めた。
人類。それは醜く愚かな種族でありる。過去を振り返れば同族を多く殺してきた種族。
自信の正義を主張するため他人を否定すること。
集団意識が強く、異物を拒むこと。
その他にもいろいろなことがあったが覚えていない。
ただ一つ。
【心を持った種族】
その一言に胸が締め付けられる。
空っぽの心。偽物の心が【うらやましい】と告げる。
そんな望みはかなうことがないと知っているのに。
私はそれらを学び、また彼女のいる場所へ会いに行く。
今度は大丈夫と自分に言い聞かせ人間の女の子に会いに行く。
ーーーーーーーーーーーー
そこにいたのは、人間の女の子を殺した機械族だった。