『警察官の方すみません。こちらの方が…』
『わかった。大丈夫ですか?』
老婆は自ずと顔をあげて警察官を見た。
『?』
『こちらへどうぞ。ありがとう。僕を呼んでくれて』
『いえ。』
(おばあちゃん大丈夫かな?)
ーーーーー
老婆と警察官を見送った後、晩ごはんの買い出しに行ってから家に帰ってきた。
『あれ?ただいまー!』
辺りは静かで人を探してやっと母に出会ったが…
『お母さん!?お母さんどうしたの?ねぇ、お母さん!!』
息はあるが母が目覚めない。
『まさか、今朝の避難訓練の時に言ってた記憶なくなるんじゃ…。』
母の体を揺らして必死に繋ぎ止めようとする葉月。
『お母さん!』
葉月が泣いた瞬間ぽつりと足音がして振り返ると男の子。
『ここは危険だ!』
『え?』
『お母さんと一緒にこちらへ来て…!時間がない!!』
切羽詰まった男の子の様子を見て従うことにした葉月。
『移動!病院へ!!来て…!早く!!』
『何?光の輪?』
光の輪に乗ると辺りは病院に。
『え!?!?病院!?』
『すみませんがこちらの方見てください。』
葉月は涙を拭いて母を医者と思われる人に預けている男の子を見た。