目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第18話 決着

 スイカンは、そのドス黒い液体を吸収する。

 スイカンは、今までのスピードより早く吸収する。

 スイカンの体は、ドス黒く染まる。

吸収するという体質のせいで、全体がドス黒い物に染まっていった。顔面半分は、寝そべったまま足の裏から、その液体を出し続けている、あえて吸収させているのだ。

スイカンの動きは止まり、ドス黒い者になり、少しづつ、スイカンの体にヒビの様な線が現れる。その線は真っ赤な光を出し、やがて、全身に広がり。スイカン自体が真っ赤に光だした。

 次の瞬間、スイカンは、弾けて消え去った。跡形もなく、それは居なくなった。

顔面半分は立ち上がり、次は信介に向かって歩き出した。そして、一言だけ告げる。

「辛い時、寂しい時、ワシは、お前の傍に居る。どうか悲観的にならんでほしい。信介が生きているだけで、ワシは安心する。ただ信介が自暴自棄になると不安になってしまう。お互い不安になるのは、精神衛生上よろしくない。お互い安心して過ごせる様に、精神全霊を綺麗にしよう。全身全霊で、お前を守ろう。」

そして、顔面半分は、信介のすぐ傍まで来ると、体が縮んでいきドス黒い玉になった。その玉は、さらに信介の胸に近づき、その胸に触れた瞬間に赤く光り、信介の体の中に入る。

 信介の、不安だった心は、少しづつ抜けていき。ここで、久しぶりの安心というものを感じる。気が抜ける、今まで警戒するあまり、力の入った生活を送っていた信介は、脱力していき、暖かな気持ちになった。それと同時に、力が抜けた体は重力に負ける様に床に腰を下ろし呆然とし、心底、笑顔になった。

11

結末として、スイカンは消滅したが、それは弥辻󠄀が思っていたものとは別の方法で消滅した。202号室に居るという神がスイカンを処理するものだと思っていたからだ。まさか、信介を守れと依頼して来た顔面半分が全てを終わらせるとは。


この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?