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選択肢

「みなさんが入学してそろそろ1ヶ月が経ちました。自分の特性、やりたいことが見えてきた頃だと思います。最初に説明したように入学後1ヶ月経ったら各自必ず武活ぶかつに入部しなければなりません。世間一般の部活とは違い、戦闘に特化した【武】の活動を行います。武活は6つに分かれていて、


武器の修練を積む【武器術部】

素手や能力の修練を積む【無手術部】

魔術の修練を積む【魔術部】

武具製作を学ぶ【技術部】

医術を学ぶ【医術部】

対ドラゴン戦略や研究を行う【戦略研究部】


この6つの部の総称を武活と呼び放課後訓練を行います。この武活は全国大会や世界大会もありますのし、成績次第では昇進もありますよ。希望を取りまとめますので用紙に記入し提出して下さい」




そういって最前列に優香は用紙を配り始める。




「おいキャロルお前何部に入るんだ?」




「私は全ての武活に入りますわ」




「全部!? 欲張りだなお前」




「私にはオールラウンダーしか道がありませんわ。どんなに努力しても1つの道が10の内2までしか極められませんので、6つ極めて12にするしか無いんですの。無茶は承知の上ですわ」




「そうか・・・すまん」




「謝られると余計腹が立ちますので辞めてくださるかしら。むしろ笑ってくれたほうが清々しいですわ」




「あっはっは! いやはや才能無い奴は大変だな~!」




ゴスッ。




キャロルの左ストレートが炸裂する。




「いってーーー!」




「フンッ」




「はいそこ静かに!」




放課後校庭




「おい、キャロルまだ怒ってんのか?」




「当然ですわ。今日はこのシールドが割れるまで帰る事は許しません」




キャロルは板状のシールドを守の前に展開する。




「ってふざけんな! 厚さがいつもの3倍はあるじゃねーかよ!」




「そろそろ自分のコアの使い方が解ってくる頃ですわ。なら」




「嫌味の才能は天才だな・・・」



「うるさい!早くしてくださいまし!」



「へいへい」



守は集中し構える。


集中・・・集中・・・キャロルが言ってた。


心臓から血液の流れを追っていくイメージ。それを手に集め・・・放つーーー




ソイヤァ!




シールドは粉々に吹っ飛び地面はえぐれ砂埃が舞う。




「なっ!? 私の出せる最高硬度のシールドをこうもあっさり・・・って!?」



キャロルが守の方を見ると同時に、その姿に驚愕した。

そして慌てて自分の制服を脱ぎ、守へと被せた。




「ブッ! うわっ!?なんだ真っ暗何これはーーーってキャロル!?」




制服の中、気が付くと息のかかりそうな位置にキャロル顔があった。




「ななな! 何やってんだよキャロル!?」




「仕方ないでしょう!?さっきの盾で魔力使い切ってしまったので何も出せないんですわ。それより貴方・・・ますわよ」




守の目は爬虫類のように細くなり、牙は伸び口からは青い炎が漏れていた。




「お・・・俺どうしたら・・・」




混乱する守。




「貴方まだ本当の事をお2人に隠しているのでしょう? とにかく落ち着いていつもどおりの姿をイメージして下さいまし」




深呼吸する守。そうすると、次第にいつもの人間の姿に戻っていった。




「戻りましたわ。まったく・・・又新しい課題が出来ましたわね」




「すまねぇ・・・助かった。ありがとなキャロル・・・所でお前、何かいい香りするな」




キャロルの顔がみるみる赤くなる。




「と・・・とにかくこれは貸しですわ!」




キャロルは掛けていた制服を取る。そこには顔を赤くした大地と千里が立っていた。




「最近お前ら何か仲いいと思っていたが・・・見損なったぞ守ーーー!」




大地は涙を流しながら走り去る。




「まま・・・守君・・・キャロルちゃんとそういう・・・私は応援してるよ・・・うわぁあああん」




千里もその場を走り去る。




「ちょっとあんた達ーーー! 誤解ですわーーー!」




「誤解なんだ! 俺は貧乳に興味は無ぇーーー!」




「何ですってーーー!?」




「しまっ!」




キャロルの凄まじい蹴りが、守の横腹を直撃する。




「--------!?」




守はその場に倒れこむ。




「ちょっと待ちなさいですわーーー!」




2人を追いかけるキャロル。








しばらくして2人を捕まえたキャロルは先ほどの状況を説明する。




「・・・と、言うわけでして目に宿る魔力を確認するための行動でしたの。よろしくて?」




「何だ・・俺達はてっきり隠れてキスでもしてんのかと思ったぜ・・・な?千里」




「私は守君を信じてた・・・よ?」




「嘘つけ千里!応援してるとか言ってただろ!」




「えー、言ったかなぁ・・・あはは」



キャロルは一つ咳払いを打った。




「とにかく・・・次は千里、この一ヶ月の成果を見せてくださるかしら?」




「・・・やってみる」




「では・・・透明なボールの中に入っている水を変化させて下さいまし」




そう言ってキャロルは少し遠くにそのボールを置いた。




「では・・・沸騰」




水は次第に熱を持ち泡を立て沸騰する。



「次、水を4分割」




ボールの中の水は4つに分かれ浮かぶ。




「では最後に球を割らないように球中のみの爆発」




球内が光を放ち爆発するーーーが、威力が高くボールが割れ、周りに水が飛び散る。





「えっと・・・失敗しちゃいました・・・ごめんなさい」




「ま・・・失敗ですわね。ですが最初よりはるかに制御出来るようになっておりますわ。腕輪の設定をもう少し上げて、魔力量を増やしても大丈夫そうですわね」




「本当!? ありがとう、キャロルちゃんのお陰だよ!」




千里はキャロルの手を握る。




「フンッ。私の面目のためですわ。次、大地いきますわよ!」




「おっしゃ! 何すればいいんだ!?」




「大地、あんたはーーー」








「はい、終了ですわ。結果はこの紙に書いてありますわ」




キャロルは大地に紙を渡す。




握力55キロ


50メートル走7、0秒


上体起こし40センチ


反復横飛び60回


射的ハンドガン10メートル10発中5発命中


射的スナイパーライフル600メートル10発中命中1発




「って・・・何で俺だけ体力テストメインなんだよ!?」




「今の貴方はこれぐらいでしか計れないから仕方ないでしょう。銃の修練が足りませんわね・・・ま、平均よりちょっと上くらいね、おめでとうですわ。」




「何か喜べねぇな」




「大地。基礎体力をバカにしてはいけませんわ。基礎体力×魔力量×コアの性能ですのよ。この3大要素の内努力で一番効果が出やすいのが基礎体力ですわ」




「なるほど! ちゃんと考えてくれてるだな」




「私は無計画な事は嫌いですの。わかったらさっさと走ってらっしゃい」




「俺も走るぜ大地!」




「わ・・・私も」



千里も一緒にランニングをしようとするが、守と大地は目を合わせて頷く。




「ち・・・千里は魔力の練習をやったほうが・・・な、大地?」




「お・・・おう。千里はそっちの方が優先だな」




「な・・・何よ2人とも・・・何でのけ者にするの!?」




守と大地は走り出しながら口を揃えて言う




『お前のは揺れるから集中出来ねぇんだよ!』




「へっ・・・?」




意味を理解し千里の顔が赤くなる。




「まったく・・・男共ってほんとバカですわね」




「何やってんだキャロル! 早く来いよー! 置いて行くぞ!」




「はいはい・・・って何で私は大丈夫ですの!? ちょっとあんた達! ぶん殴ってさしあげますので待ちなさいーーーー!」



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