二〇一七年七月四日。
背番号が一つひとつ呼ばれる。
「十一番、工藤」
俺の名前が呼ばれると、足が震えるのを感じながら急いで監督の前に行き、番号を受け取った。
その手をポケットに突っ込み、震えを隠すように深呼吸を一つ。緊張が体の中を広がっていく。
でも、胸の中には、嬉しさがじわじわと湧き上がってきた。
東さんがエースで、矢部が十番。
ただ、自分がこのチームにいるという事実を受け入れ、その重みを感じている。
その時、信二が静かに言った。
「勝つために、ベストを尽くす。それが俺たちのやり方だ」
その言葉に、みんなが頷き、心が一つにまとまる。
その瞬間、初めて、このチームの一員として戦う覚悟が決まった。
そして最後に、信二がひときわ大きな声で言った。
「大気のために」