二〇一七年四月十五日。
今日は祖父母という人たちが観光に連れて行ってくれた。
正直、俺は小さい頃からずっと野球一筋で、地元を観光した記憶がほとんどない。それでも、祖父母という人たちの温かい心遣いに応えるべく、昇仙峡に向かうことになった。
「こんな場所が山梨にあるんだ」と驚きながらも、自然の美しさに触れ、少しだけ心が軽くなった気がした。
最後に、金運アップの神社があるという話を聞き、昇仙峡の奥にある神社に向かうことになった。しかし、予想外の混雑に驚いた。土曜日だからというのもあるだろうが、最近全国のテレビ番組で特集された影響もあるのかもしれない。
「しょうがないね」と祖母という人が言ったが、祖父という人が「こっちでいいじゃん」と言った。近くに別の神社があったからだ。
「ふうふぎじんじゃ」よいう神社の名前が少し変わっていて、興味を引いた。
お賽銭をした後、社務所にいたおばあさんから「中もどうぞ」と勧められ、神社の裏側に連れて行かれた。その時、何かに引っかかった。
裏側に案内されると、そこには巨大な木の一部が建物に鎮座していた。
「あ!」と、断片的な記憶がふっと頭をよぎった。あの事故の後、確かどこかで見た気がする。