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二〇一七年四月十三日

二〇一七年四月十三日。

 祖父母という人たちは、本当に温かい人たちだった。

 引っ越し先は以前住んでいた場所からさほど遠くなく、竜王駅近くの静かな町は、生前のまま、どこかホッとする空気が漂っていた。

 しかし、それ以上に嬉しかったのは、転校先が第二甲府高校だと聞かされたことだ。

 俺にとって、これはまさに夢のようなチャンスだった。

 あの頃、工藤光として過ごした日々を思い返すと、こんな幸運が待っているなんて、信じられない気持ちでいっぱいになる。

 けれど、心のどこかで引っかかっていることがあった。それは、本当の家族のことだ。甲府の家は決して遠くなく、自転車で行ける距離だ。あの家で、みんなどうしているだろうか。何かが気になって、ずっと不安に思っている。

 そしてやはり、千沙先輩のことが気になる。先輩は元気にしているだろうか。


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