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二〇一七年四月五日

 二〇一七年四月五日。

 母という人から突然、引っ越しの話を聞かされた。

 来週、山梨県に引っ越すことになるらしい。祖父母の家がある場所だと言われたが、その裏に感じたのは、きっと俺を田舎で落ち着いて育てたいという母の願いだろうと思った。

 それを理解すると、むしろ嬉しかった。そして何より、山梨に戻れる。

 本当の家族にも会える。もしかしたら、あいつらにも会えるかもしれない。

 でも、一番は千沙先輩だ。

 彼女がどうしているのか、それが気になって仕方ない。

 少しだけ、落ち込んでいた俺にとって、希望を感じることができた。


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