気が落ち着かん一人の男が、気晴らしに散歩に出ることにした。外は真っ暗だが、それもまた良いだろう。男はだらしない格好で座りっぱなしで、動こうとしない。ため息をついてから、男はやっと立ち上がる。
玄関に着き、気持ちが高ぶっている男は、簡単に装着できるサンダルを身につける。男は冷たいドアに触れながら、ゆっくりと開ける。もうその瞬間、冷たく気持ちの良い風が肌に触れる。防寒具を着てくればよかったが、それほど問題ではないだろう。
しかし、自棄に人が少ない。極端に言えば居ない。居ても、遠くに少し見えて、皆ここから去ろうとしているものばかりだった。その程度なのだ。男は少し不安感を抱いた。散歩を明日の朝にしたいという気持ちが過った。
「明日でいっか!」
そう言って男は、家の部屋に戻った。