エピローグ
「ピーちゃん!ピーちゃんは生きてる?」
開口一番そう叫んで鳥かごの置いてある部屋へ行く。あ、大丈夫だ。元気。
戻ってきたけど、一週間こっちも過ぎていて焦った。
なんか、秘蔵っ子をありがとう、って置き手紙があったんだけど、私がいない間、誰かが家のことちゃんとやってくれてて、私の身体もトイレとかお風呂とかやってある様子だった。
誰かな?
首をひねる。
テレビをつけて、大物ロック歌手の悲報を見る。コメンテイターが、「お孫さんが高校生でロックバンドやってるようですよ」と言ってたが、まさかね?
布団もふかふかのに買い換えてあって、寝心地がいい。至れり尽くせり。
「ピーちゃん、エリザベスピーって知ってる?」
水と餌を替えてあげるときにそう話しかけたら、ピーちゃんが「連れてこい!」と言ってびっくりした。
タブレットでしずくちゃんの住んでる近辺の情報が手に入った。案外近い。これは……。
接触したらいい迷惑かもなあ。でも様子見に行ったろ。
くすくす笑いながら支度をする。そうだ、星学に「エリザベスピーちゃん引き取らせてください」って連絡入れなきゃ。
あとは、何か忘れてないかな?
あ、私は50歳になったけど、なんにも変わらない。ちょっとナーバスだったけど、大丈夫。
私は私。
さあ、いこう。今日という日を精一杯生きよう!