15☆お弁当
電車に揺られて二駅。家までの間に小型スーパーがある。
「お兄ちゃん、ちょっと待ってて」
生姜焼き用のお肉とプチトマト買う。
「お前、金は大丈夫か?」
「折半」
「うへえ」
夜はお母さんが用意してくれてた。おかわりに次ぐおかわり。
「朝のご飯多めに炊いて」
「なんで?お米がギリギリよ」
みんな涙がちょちょ切れた。
☆
翌朝お弁当を作る。ご飯を敷いて、生姜焼きとプチトマト乗せて、完成。
「あんた、いつの間にそーゆーのできるようになったの」
お母さんがびっくりしてる。しずくちゃんは料理ダメだったのか。
「はい、お兄ちゃん」
「うわあ」
「折半」
「うわあ」
レシートを睨みながら、財布のチャックをのろのろ開けるお兄ちゃん。
ちゃり。
「たしかに」
「くうう」
「今日は水曜日でしょ?明日と明後日のお弁当なにがいい?」
「うー、うー」
「なに?」
「任せる」
「オッケー」
買って食べるより自炊の方が安くあがるんだよなー。
「じゃあ、行ってきます」
お兄ちゃんと一緒に家を出た。
二駅電車に乗って、お兄ちゃんと別々の道へ。
「ちょっといいかな?」
げ。お巡りさん。
「なんですか?」
「ちょっと事情聴取」
なんでー?
私心当たりないよ〜。