目次
ブックマーク
応援する
2
コメント
シェア
通報

第11話

10☆壁ドン


選択科目で教室移動だった。三クラス合同で、わけわかんない!

とりあえず1組の教室へ入った。

「おい、しずく」

何?!いきなりの壁ドン。

相手をジロジロ見てみる。

整った顔立ちの男子生徒。自分に自信があるのか積極的。

「きゃー、いやね」

女子から変な目で見られる。これは、よろしくない。

「あんた、誰?」

うまくドスの効いた声が出た。

「誰って……」

思わず及び腰になる男子生徒。名札は1年1組濱口。

「靴箱の手紙見たか?金曜の放課後に屋上」

こいつか。

「行きません」

「なんだって?」

「行かないの」

「そりゃ困る」

「ごしゅーしょーさま」

押しのけていこうとする。

「お前、ほんとにしずく?」

「そうですけど、何か?」

へっ、と言って濱口は教室から出て行った。

「卯月さん、大丈夫?」

おとなしそうな女の子が声をかけて来た。

「あいつ、気の弱い子ばっかり声かけるんだよね」

1組前田さん、か。

「最低だね」

「ほんと、最低!」

しずくちゃん、お友達候補いるじゃない。良かった。

「呼び出しでしょ?行くといろいろ勧誘されそう」

「ほんとう?」

「近づかない方がいいよ」

「うん。ありがとう」

勧誘、勧誘っと。宗教かな?マルチかな?ろくなものじゃないだろうな。

ほへーっと息をついた。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?