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第9話

8☆職員室


「卯月、ホームルームの前に職員室に来いって」

「あ、はい」

なんだろう?

校舎のど真ん中に職員室。二階に降りて、1年の棟から2年の棟へ渡り廊下を渡る。

わあ、私、女子高生だわ!キャピキャピしたくなる。こんな感じ、何十年も忘れていた。

「おはようございます!」

大声で挨拶して、お辞儀してから職員室へ入る。

「卯月、こっちだ」

バーコード禿げの先生に呼ばれる。担任らしい。机に1年3組副担と紙が貼ってある。吉岡先生だ。

「おはようございます」

「おはよう。卯月、さっそくなんだがなぁ、昨日なんで学校休んだんだ?」

「えと、病院に行ってました」

「具合悪いのか?」

「ええまあ」

「その時にだ。街で補導されんかったか?」

あちゃー。あれか。制服に名札と校章のバッジとクラスのバッジつけっぱなしだったから目ざとい人が覚えていて学校に連絡したんだろう。

「されました」

「他校の男子生徒と一緒だったか?」

「兄のことですか?」

「兄?ほんとにお兄さんか?」

「嘘言ってどーするんです」

「茶屋高は男子校で男女交際禁止なんだろ?」

「何が言いたいんですか?」

「ほんとは彼氏じゃないのか?」

「そんなわけないじゃないですか。せっかく共学なのに、なんでわざわざ他校の男子生徒と付き合わなきゃなんないの?!」

「……。これは先生悪かったな」

「はい」

「行っていいぞ」

「失礼します」

その頃、お兄ちゃんの方も学校で呼び出し食らってた。妹だって証明するために学園祭に呼ぶと言ったらしい。(やったね!)

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