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第5話

4☆やっぱり挙動不審


「でも、仕送りを手渡すのに財布からむき出しで数万円って変ですね?ふつー封筒とかに入れて渡すでしょ」

私が素朴な疑問を口にすると、彩奈ちゃんと坂崎さんがあからさまに動揺した。

「それに、仕送りなら彩奈ちゃんの口座に振り込んで貰えばいいわけだし、なんで手渡しなんですか?」

「それは、あのその……」

「警察に行きましょう。うちのお兄ちゃんも傷害罪だし、そちらも叩くとホコリが出そうだし」

私がそう言うとみんな真っ青になった。

「すみません。援助交際してました。見逃してください」

彩奈ちゃんと坂崎さんが土下座までして謝った。

「んーどーしよっかなー」

ふふふふん。

「お兄ちゃんの暴力はこの場合、正当ですよね?じゃあ、見逃す代わりにこれください」

指でお金のジェスチャーする。

「全額くださいとは言いません。口止め料に2万円」

わー。彩奈ちゃんと坂崎さんがお金を押しやると脱兎のごとく逃げ去った。

「はい、お兄ちゃん。半分」

「し、しずく……」

お兄ちゃんは蒼白のままやっとそう言った。

「これで私も共犯!彩奈ちゃんて娘は同じ学校らしいから利用価値が……ゴニョゴニョ」

「お前いつからそんな性格になったんだ?!」

亀の甲より年の功?

くすくす。

「こえーよーかーちゃーん」

お兄ちゃんがひろひろしながら握らせた一万円札に目をとめて、うへへへへ。と笑った。壊れたな。

「それより、ここどこ?」

学校は?

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