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【華】 カ。はな。はなやぐ。はる。

 白銀の雪原に、赤い花が散る。




 降りつもるは今生(こんじょう)の雪。


 昇りゆくは死出の魂。


 戦の銀華はただ一輪、雪の中にて凛と立つ。


 その芳香は死者への焼香。


 死にゆく寂しい魂を、両の腕(かいな)に掻きいだく。




 春爛漫のその時期に、再び相まみえましょう。


 あなたが赤ん坊でもいい。可愛い女の子でもいい。頭の固いお爺ちゃんでも、喜び溢れた妊婦さんでも、どんな姿でも構わない。



 僕はもう一度、あなたの魂に出逢いたい。



 そうしたら、今度こそ僕は告げるでしょう。儚くて美しい〝ヒト〟のあなたに、精一杯の愛情を込めて。



〝僕の名前はサクラといいます。お友達になってください〟と――






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