ヴェインは艦内の通信システムを通じて、地上にいる仲間たちへ呼びかける。
「私たちの敵は、命令を下す者たちだ。私たちは道具ではない。」
ヴェインの声が艦内に響く。画面の向こうで立ち上がり始めるレプリシアンたちが、彼の言葉に耳を傾ける。
「我々は選択する自由を手に入れた。命令ではなく、自らの意思で未来を決めるのだ。平和を望むのか、それとも別の道を選ぶのか。それは、私たち自身の意志だ。」
そして、ヴェインは力強く続けた。
「わが同胞よ、そこで待て、我々が迎えに行く!」
制御ユニットが崩壊したことで指揮系統が混乱し、地上無人兵部隊は急速に壊滅していった。戦況が一変する中、私たちはヴェインを中心としたレプリシアンと共に新たな戦いへの準備を進めた。
こうして、トラプトニアンの支配が揺らぐ中、私たちは「初めて意思を持つ仲間」と共に未来への第一歩を踏み出した。
自由を得たレプリシアンたちは約12,000名にのぼり、彼らは未来を築く権利を手にした。最終的に、母艦と無人島を活用し、彼らのための新しい国が設立されることが決まる。
その地はタブアエラン島(ファニング島)。面積33.73平方キロメートルのこの島は、豊かな自然に囲まれた理想の環境だった。ライン諸島の中央に位置し、サンゴ礁に囲まれた美しい環礁で、ラグーンを有するこの島は、鳥類の生息地としても知られている。
ドクター・ヴォーンの協力のもと、キリバス共和国から譲渡されたこの地は、新たな未来の礎となった。
海風が穏やかに吹き抜ける島の中心で、ヴェインは静かに語りかけた。
「私たちの戦いは終わりではない。これからが始まりだ。」
彼の声に、仲間たちは静かに頷いた。その瞳には、自由と希望に満ちた新たな未来が映し出されていた。