戦いの準備を整えた後、皆はスーパーマーケットの酒コーナーに集まり、穏やかな時間を過ごしていた。作戦前にもかかわらず、その場の空気は意外なほどリラックスしていた。強力な仲間が揃っていること、そしてお互いを信じていることが、全員の心を落ち着かせていたのだ。
酒を酌み交わしながら、将来の話、異星人の話、さらには悪魔に関する話まで、話題は尽きなかった。笑い声があちこちで上がり、緊張感の欠片もない。
「チュパカブラを見たことはあるか?」
ドクター・ヴォーンが突然口を開いた。
「UMA?」
彦作が興味津々に反応する。
「実在するのか?」
レイナが眉を上げる。
ドクターは得意げに微笑んだ。
「私は一度捕獲したことがある。檻に入れておいたのだが、次の日には逃げられていた。」
その言葉に、皆が思わず吹き出した。
「うそくさい。」
「いや、本当だ。」
ドクターは真剣な表情で反論した。
そこでカリドゥスが口を挟んだ。
「それは、おそらくファリニアン星人の宇宙船から逃げた動物ですね。ファリニアン星の生物で、この星で言うと……トカゲと猿をかけ合わせたようなものです。」
ドクターは目を見開き、カリドゥスに身を乗り出した。
「本当か?」
カリドゥスは淡々と頷いた。
「彼らの生態は非常に興味深いですが、捕まえるのは至難の業です。凶暴で血を吸いますからね。」
そのやり取りに、再び笑い声が湧き上がる。戦争中とは思えないほど和やかで、温かな空間が広がっていた。まるで戦いが迫っていることを忘れるように、皆が一瞬の平穏を楽しんでいた。