ドローンの撃墜には成功したが、敵が調査部隊を派遣してくるのは時間の問題だ。
2日後、私たちは対策を練るため、拠点のスーパーマーケットに集合した。カリドゥス、瓢六、彦作、レイナ、ヴァルハラ隊、ドクター・マーカス・ヴォーン、そして悪魔のイモケンピが一堂に会する。
冷たい蛍光灯の下、全員の視線が私に集まる。緊張感が漂う中、私は一歩前に出て口を開いた。
「ドローンの撃墜は成功しました。しかし、このままでは敵の調査部隊がここに来るのは時間の問題です。」
私は全員に向けて状況を簡潔に説明した。言葉を選びながら続ける。
「そこで対策として、敵に偽情報を流し、調査部隊を混乱させたいと考えています。」
視線をカリドゥスに向けた。
「カリドゥス、敵の無人機に対して偽情報を流すことは可能?」
カリドゥスは冷静に頷いた。
「偽情報を流すことは可能です。ただし、既に動き出している調査部隊に対して、私は命令を変更することができません。つまり、今動いている部隊がいるとしたら、それらを排除するしかないでしょう。」
その言葉に場の空気が一瞬張り詰めたが、彦作が口を開く。
「つまり、そいつらを全滅させるしかないってことだな。」
彼は操縦桿を握る時と同じように、静かだが確固たる声で言った。
「敵の数も位置もわからない現状では、リスクが大きい。」レイナが慎重な口調で口を開く。その灰色の瞳は、作戦の厳しさを見据えていた。
「困難な作戦になるでしょう。」
私も認めざるを得なかった。
その時、ヴァルハラ隊の一人が笑みを浮かべながら口を開いた。
「俺達は魔女の眷属。魔女の加護を受けているからな。そう簡単にはやられない。」
場に漂っていた緊張感が少し和らぐ。私はその一瞬を逃さず、作戦の詳細を伝える準備に取り掛かった。
「私たちには役割分担が必要です。以下がそれぞれの任務です。」
私は全員の顔を順に見渡しながら指示を出した。
カリドゥス:トラプトニアンの影響力を使い、敵部隊を攪乱する偽情報を流す。
「我々の拠点が別の場所にある」という誤情報を広め、調査部隊をこの地から遠ざける。
瓢六:各地の諜報網を使い、敵部隊の動向をリアルタイムで把握する。情報収集と敵の動きを先読みする役割を担当。
ドクター・マーカス・ヴォーン:武器や弾薬の調達を担当。スーパーマーケット内の一部を臨時の武器庫に改造する。
彦作:戦闘機を駆使して上空から敵を攻撃。
レイナとヴァルハラ隊:前線での戦闘を担当。戦術はレイナが担当。
悪魔(イモケンピ):見学
「私が全体の指揮を執るとともに、戦局の変化に応じて迅速に作戦を修正します。瓢六は、すぐに敵の情報を集めてください。」
私は彼に向けて話しかけた。瓢六は無言で頷き、すでに端末を操作し始めている。
「レイナは瓢六の情報を元に必要な武器弾薬を選定、ドクターはそれらの武器を調達してください。」
「わかった。」
レイナは短く答え、既に計画を思案しているようだった。
ドクター・マーカス・ヴォーンもすぐに応じる。
「必要な物資は最優先で確保する。リストが揃い次第、準備に取り掛かる。」
私は全員を見回しながら続けた。
「情報が揃い次第、作戦を立案します。それまでにそれぞれの準備を進めてください。状況が変われば、即座に対応します。」
それぞれが動き始める中、私は静かに息を整えた。この混乱の中でも、彼らが信じて動いてくれることに安堵を感じつつ、重責に押しつぶされそうな思いを振り払った。