この世界には、わざと問題を起こして目立ちたい人間もいる。目的もなく言いがかりをつけてくる人間もいる。
「遺伝子に欠陥があるのかな……」
口をついて出た言葉に、自分でも驚いた。
「自分が損してでも、他人を引きずり下ろそうとする人間ってなんのために存在しているのだろう?全くいい迷惑だ。そんな人間、滅びたほうがいい。」
イモケンピは興味深げに私を見つめた。
「それが本心か?」
「分からない。」私は俯いた。
「これが本当に私の気持ちなのか、それとも……」
「私に心を操られているのではないか、と思ったか?」
彼は悪戯っぽく笑った。
「面白い。だが、これはお前の心の声だよ。私はただ、それを引き出してやっているだけだ。」
その言葉に、背筋が寒くなる思いがした。彼が言う通りなら、これは私自身の本心だということになる。それが怖かった。
その夜、私はベッドで天井を見ながら考え込んだ。戦争が始まる前、地球上には無数の争いがあった。国同士の衝突、宗教の対立、欲望が引き金となる虐殺……それは今も変わらない。人間は愚かだ。それでも、この星を救うべきなのか?
「本当に救う価値があるのか?」
イモケンピの言葉が頭の中で響いた。
「争いを好む奴らの信念や主張など知らん、戦いたい者同士で勝手に殺し合えばいい。そんな人間どもは滅びてしまえばいい。」
………これが私の本心?悪魔に心を乗っ取られたか?
「まあ、それも悪くないか。」