私は薄暗い部屋で肩を落としながら小さく呟いた。
「彼らがいなければ、今頃もっと平和に暮らしていたかもしれない。」
隣にいたイモケンピが静かに笑った。
「勝手に戦争を始め、誰も得しない結果を招く。それでもなお、自分たちが正しいと思い込んでいる。」
私はため息交じりに言った。
「それが人間の本質だ。」
その言葉に私は苛立ちを覚えた。彼が悪魔だからか? それとも、彼の言葉が真実だからか?言い返したくなる自分を抑え、冷静を装った。
イモケンピは首をかしげ、微笑を浮かべる。
「人間は欲望の奴隷だ。権力を求め、信念を押し付け、他者を踏みにじる。それが形を変えて争いを生み、滅びを引き寄せている。」
私は反論することもできなかった。全くそのとおりだと思った。
その瞬間、何かが胸の奥で弾けた。私は言葉を絞り出すように言った。
「この戦争が始まって、多くの人が命を落とした。その原因を作ったのは一部の人間だ。欲望に溺れ、無意味な衝突を招いた連中だ。そんな連中に価値はあるのか?」
イモケンピの目が細まり、赤い光がわずかに輝きを増した。
「それがお前が行き着いた答えか?」
私は息を呑み、一瞬、答えに詰まった。
「……わからない。でも、平和な世界を作るなら、彼らはいない方がいい……。」
その言葉を口にした瞬間、自分自身に驚いた。これまで必死に「守る」ことを考えてきたはずだった。
それが、今や「排除」に傾き始めている。
イモケンピは微笑を深めた。
「興味深い考えだ。」