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共生社会とバリアフリー
共生社会とバリアフリー
黒鯛の刺身
文芸・その他雑文・エッセイ
2025年01月23日
公開日
1,151字
完結済
多分、昨今の円安問題より大切だと思うこと。

第1話

 あるところに、『小学生に庭に侵入され、器物損壊の被害を受けた』という書き込みがあり、それについて『少年法は廃止しろ!』など様々な意見が書き込まれていました。


 それで目についた意見で、『知的障害の子供は親が面倒みれないならきちんと施設に入れろ!』みたいな意見も散見されました。


 それに対し、『皆さんの意見を見ていると、障害のある子供を育てていく自信がなくなりました』というご意見も……。


 まぁ、百歩譲って施設に閉じ込めるにしても、行政が福祉施設を建てようとすると、大体にその地域で反対運動が起こります (´・ω・`)

 普段は『助け合いは大切』と人間は言いますが、実際の行動はこんなものです。

 苦節ののち施設が立っても、運営団体への苦情の電話など苦労は続きます。


 つまり、施設に閉じ込めるだけでも結構大変なんですよね……><。


 それなのに、共生社会だのバリアフリーだのが国の福祉方針としてあります。

 『そんなのいらんやろ』みたいなことを嘯いていた知人も、自身の祖父母が認知症になって、急に意見を改めました。

 誰しも実際、その立場にならないと、福祉の有難さって分からないんですよね。


 もし、貴方が事故や病などによって、心身を病んだ場合。一生施設の塀の中で暮らすことを望みますか?

 貴方のお子さんが疾病などによって、一生施設の塀の中などを望むのでしょうか?


 はっきり言えば、弱者を切り捨てるべきだという論調もあります。

 しかし、一般的な普通の私たちも、国によって累進課税などの公共施策により、実際に納めた以上の公共サービスを受けています。

 お金持ちの方にしても、個人の財産ではどうにもならない様な、大規模な警察や消防システム。大きな病院などの施設を利用できる社会メリットもあります。

 それは我が国に国民皆が幸せになることができる権利があるからです。


 国民皆が幸せになることが出来る権利は、当然に障碍がある方にもあります。

 その理念を的確に顕したのが、バリアーフリーや共生社会といったモノでしょう。


 例えば、施設に閉じ込めるというのは、当事者からすれば大きなバリアですよね。

 とても共生社会といったモノではありません。


 駅の構内にエレベーターを敷設するだけが、バリアフリーではないのです。

 皆で社会の中にバリア【障壁】無く暮らせることが、共生社会の在り方なのです。


 もちろん、これが簡単に出来るようにはならないでしょう。

 世の中から戦争がなくならないように、バリアもなかなかなくなりません。

 そして負担も一部の人たちだけに偏らないように、上手に分散して負担していくことが肝要です。


 もしかしたら、各々が『平和が大切』と当然のように口を揃えて言うように、『バリアフリーが大切』と当然のように口を揃えて言える社会になれば、巧く世の中が変わっていくかもしれませんね……。


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