さて、私は今友人とジャンクフードを食べに来ている。
売れっ子作家というわけではない俺は、田舎の作家友達とこうして創作論を語るのが趣味なのだ。
だが…
「はっはっはっは!!それでお前、俺に筋トレの方法を聞いてきたのか」
謎の骨折事件から約1か月。
指の骨は治ったものの再発防止用に運動不足を解消するため、筋トレが趣味かつ、ボディービルダーをテーマにしたファンタジーラノベを書いている友人…ペンネーム【大胸筋】こと
「笑い事じゃねぇって医者にも言われた…編集にも…」
「そりゃそうだろ!クック…作家がキーボードで骨折ってお前…豆腐でも骨折できるんじゃねぇのか?」
笑いを必死にこらえる健司を俺は軽くたたき「笑うな」と吐くが笑いが収まる様子はない。
「お前もたいがいだろ健司…俺が今日訪ねなかったらお前死んでたかもだぞ?」
そう。何を隠そう目の前のこの男、今日自宅で倒れてたのである。
電話かけても出ないから様子を見に行った俺が部屋で倒れてるコイツを発見していなければ文字通り死んでいたかもしれない男なのだ。
「で、お前はお前で何で自宅で
「いや~締め切りぎりぎりでさ?夢中で描いてたら…フラッっといっちゃって…」
「………お互い…体調管理気お付けような」
「おうよ!」
ジャンクフードをすさまじいスピードで喉に流し込みながらサムズアップして健司は言う。
「俺らみたいなのは体調が命だからな!」
と。
そうだ。小説家にとって体調は最も重要なことと言っても過言ではない。いや…どの職業もだろとか聞こえてくる気もするが、小説家や漫画家は特に、自分の限界を超えることがしばしばある。他の職業で例えてみよう…例えばサラリーマン!もしサラリーマンが倒れたら?職場の同僚に気づかれ病院にでも運ばれるだろう。
だが!もし
【完】
である。故に体調に関しては本っ当に気を遣わなければならないのだ…
「まぁこれ食べたらちょっとランニング付き合え。まずはそこからだ、黒金」
「わかったよ」
俺はさわやかな笑顔で席を立った健司の手を握り、即座にその中に伝票を持たせ笑顔を見せるのだった。