僕らは双子の兄弟 あの時、小学校に通う子供だった
楽しみにしていた小型バスに乗っての修学旅行 長崎への旅 テーマパークにそれから‥
でも‥
「ごほほ 僕の事は気にしないで翔兄ちゃん」僕は風邪で熱を出して‥
「でも翼」 「いいから お土産愉しみにしているから」
兄ちゃんは皆と一緒に小型バスに乗って修学旅行へ でも
そのバスが途中で忽然と消えたのだった いわゆる神隠しだと当時は大騒ぎ
皆が消えた
同級生たちも優しい先生も‥そして僕の大好きな翔兄ちゃん
それから10年近く時が過ぎて‥突然、ある日消えたはずの小型バスが現れた
皆は無事 当時のまま年も取らずに
小型バスに乗っていたのは小一時間程の時間の経過だったという
「翔兄ちゃん」「翼なの?」
まるで年の離れた兄のような僕 高校生の僕
幼い弟のような 小学生の翔兄ちゃん
戸惑いながらも 再び会えた
僕の瞳からはとめどもなく涙がこぼれ落ちる。