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「それにしても、……ホーンっと、ハルコンは凄いなっ!」
「うんうん、ホンとそうだねっ!」
セイントーク家の長兄のマルコム、次兄のケイザンがパーティー会場の数々のアトラクションを見て、少しも驚きを隠さない。
「ハッハッハッ、……まぁ、それ程でもありますよっ!」
「「言ったなぁーっ、ハルコンッ! オマエなんかこうしてやるっ!」」
そう言って、兄達はハルコンにヘッドロックとアームロックを同時に仕掛けてきた。
「ウワァ~ッ、や~ら~れ~るぅ~っ!!」
もちろん、……軽く直ぐほどける程度の、甘い力加減なんだけど。
まぁ、その辺はお互い演技も込みってことで。
「ほらほら男ども、ここはパーティー会場なんですからねっ! ふざけるのも大概になさいまし!」
サリナ姉が半分呆れた調子で咎めると、男達3人は「「「はぁ~い」」」と言って、直ぐに身嗜みを整え始めた。
「羨ましいなぁ」
「えっ、何だって? ミラちゃん」
サリナ姉が、ミラの呟きを聞き漏らさなかった。
「私、一人っ子ですから。兄姉がいるのって憧れちゃうんです」
「ふぅ~ん、そんなの大丈夫よ。シルウィット領も落ち着いてきたことだし、そのウチ弟か妹さんができて、賑やかになると思うわ」
サリナ姉が優しく励ますと、ミラは「はいっ」と言って、白い歯を見せて笑った。
他の子供達がセイントーク家の者を注視する中、ハルコンと兄達は特に気にするでもなく、向こうのコーナーから甘い炭酸の柑橘系のジュースを運んできた。
ミラとサリナ姉にも手渡すと、喜んで受け取っている。ちなみに、この炭酸ジュースもまた、セイントーク家から王宮にレシピが提供されているものだ。
「ハルコン。オマエってヤツは、ホンと改めてトンでもないなっ!」
長兄のマルコムが、半ば呆れたような顔をして、優秀な弟の肩をポンポンと軽く叩いた。
「ハハハ。まぁ、皆さん喜んでくれているみたいですから」
「だな。兄として誇り高いよ。それに比べて……ボク達ときたら」
何か、ちょっと落ち込み気味な次兄のケイザンだが。
「いいえっ、兄様方は、今すべきことをちゃんとこなされております。時機がきたら、人の評価もガラリと変わるはずですっ!」
「そっか。なら、ボク達ももうひと踏ん張りするかなぁ」
その辺り、優秀過ぎる弟は、これまた大層気配り上手でフォローもするのだ。