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19 子供達のパーティー_01

「なるほど。やはりハルコン・セイントークは、傑物であったか!」


「はい、お父様。その認識で、先ず間違いありません!」


 王宮にある、王族のためのいつものプライベートルームにて。

 王ラスキンは、末娘シルファー殿下とハルコンの人物評について率直に話し合っていた。


 室内はソファーと少しの家具があるだけの、非常に簡素な造りに仕上がっていて、王族だけの内緒話をするのにはもってこいの部屋と言える。


 12畳程の狭い室内にいるのは、侍女のセロンも含めて3人だけ。今回もまた、セロンの目を通して、ハルコンはばっちり様子を窺っていた。


「もう直ぐハルコンは、王立学校に入学します。彼の頭脳は極めて先進的です。本来なら学徒としてではなく、むしろ教師として迎え入れるべきではないかと思われます。ですが、まだ若干7歳であることから、今回の措置を取らせて頂きました」


「ふむ、そうだな。多少特別扱いしても問題あるまい」


「とりあえず、彼の入る寄宿舎の部屋は個室。最新の学問を記した書籍を網羅した本棚を用意しております。また、様々な研究作業ができるよう、広めのテーブルも用意しました。これで、セイントーク領と同様に快適に過ごせるのではないかと思います」


「当然だな。貴族寮故に、他の貴族家から文句が出たりせんだろうな?」


「寮長に既に話を通してあります。問題ありません!」


「ならば良い。まだハルコンは7歳の子供だ。オマエも友人として、何かと目をかけてやってくれ。それだけで、彼も心強く思うだろう!」


「はい。それに合わせて、近日中に王家主催による同世代の子供向けに、親睦を兼ねたパーティーを催すのがよろしいかと」


「ふむ、……パーティーか」


「私が主幹事という形にすれば、貴族家の子供達もこぞって参加することになるでしょう。如何でしょうか?」


「いいだろう。シルファー、オマエは戦後復興世代の希望の象徴と呼ばれている。できるだけ楽しく華やかに、子供達が目を輝かせるような会を企画してみなさい!」


「はい」


「係の者を何人か付けるので、オマエならそれで十分できるだろう?」


「はい。さっそく手配に取りかかります」


 そのやり取りを聞いた後、ハルコンは思った。

 シルファー殿下、……私のことを少々買いかぶり過ぎです、と。


 それに、陛下まで一緒になって、私のことをVIPか何かと思われてるご様子。

 ハルコンはさすがに面食らっていると、シルファー殿下が最後にこう仰られた。


「ハルコン・セイントークは、先ず間違いなく、神の御使い様であらせられます」と。


 なるほど。もう全てバレてるのね、とハルコンは思った。

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