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00 プロローグ

 妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。


 彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。

 精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサー開発間際というところで、放火で殺されてしまった。


 晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。


 死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。


「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」


 晴子は、その提案を受け容れて、異世界へと旅立つことになる。


 転生先は、中世ヨーロッパに似たファンタジー世界に存在するファイルド国。

 晴子は、ファイルド国伯爵3男セイントーク・ハルコンに生まれ変わると、神の御使いとして、様々なチートに恵まれていた。


 例えば、前世の地球での記憶や知識が付与されていた。

 加えて、複数のNPCにフルダイブでアクセス可能だった。


 女神様によると、一級剣士、女盗賊、女占い師、弓使いの女エルフ、一級鍛冶士のドワーフ、商人がお薦めなのだとか。


 試しにNPCにフルダイブしてみると、それは他人の人生そのものを乗っ取ったも同然。

 あまりにも凄まじい能力に、ハルコンは大いに目を輝かせる。


 ハルコンは、戦後復興に携わる父カイルズを、それらチート能力を駆使して手伝い始めるのだった。

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