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犬権保護法 第8条
犬権保護法 第8条
8ツーらO太!
文芸・その他純文学
2025年01月19日
公開日
8.2万字
連載中
 西暦2324年。犬が人語を操るようになって100年が経った。

『人に人権があるように、犬にも犬権を』と最初の犬が叫びだしてから90年。
 全世界の法律に犬権保護法が追加されてから80年。
 医学の進歩により犬の平均寿命が50年に伸びてから70年。
 犬はヒトに使役されるべきではない、犬とヒトとは別れて暮らすべきと主張する反人派の犬たちが立ち上がってから60年。
 犬だけが暮らす反人派の国が世界中に乱立するようになって50年。
 反人派の国々と、ヒトと犬が共存する共生派の国々との貿易が開始されてから40年。
 医学の進歩により脳移植が可能となり、ヒトの脳疾患が治癒され始めてから30年。
犬の臓器を人間へ、拒絶反応なく移植できる技術が開発されてから20年。
 僕が生まれて、ちょうど同じ年に生まれたラブラドール・レトリバーのアイリがうちに来てから17年。

 僕の脳疾患が判明して、3日。
――――――――――――――――――――
【あらすじ】
 人語を操る犬とヒトとが共存する未来。犬はヒトの家族となり、ヒトの戸籍に入ることでヒトとみなされるようになった。
 そんな世界に生きる男子高校生のアキラは、記憶を徐々に失っていき、やがて死に至る病を患った。治療方法はただ一つ、誰かの脳を移植すること。
 ある深夜、アキラはキョウダイとして育ったラブラドール・レトリバーのアイリを連れて家を出る。それは、両親がアイリの脳をアキラに移植しようとするのを防ぐため。
 余命は一か月半。最期の時間を二人で過ごすため旅を続けるアキラとアイリはやがて、共生派国と反人派国、そして遡上(そじょう)派との三つ巴の争いに巻き込まれていく。
 長いようで短い、ひと月半の旅の果てに、アキラとアイリが迎える結末とは―――

プロローグ

 西暦2324年。犬が人語を操るようになって100年が経った。


『人に人権があるように、犬にも犬権を』と最初の犬が叫びだしてから90年。

 全世界の法律に犬権保護法が追加されてから80年。

 医学の進歩により犬の平均寿命が50年に伸びてから70年。

 犬はヒトに使役されるべきではない、犬とヒトとは別れて暮らすべきと主張する反人派の犬たちが立ち上がってから60年。

 犬だけが暮らす反人派の国が世界中に乱立するようになって50年。

 反人派の国々と、ヒトと犬が共存する共生派の国々との貿易が開始されてから40年。

 医学の進歩により脳移植が可能となり、ヒトの脳疾患が治癒され始めてから30年。

 犬の臓器を人間へ、拒絶反応なく移植できる技術が開発されてから20年。

 僕が生まれて、ちょうど同じ年に生まれたラブラドール・レトリバーのアイリがうちに来てから17年。


 僕の脳疾患が判明して、3日。

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