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第109話◇ミッション完全コンプリート◇

 蘭華と繋がりを持ち、俺の体の中に明らかな変化があった。


 これまで「分かる」程度だった妖精さんパワーが、「自在に使える」という感覚に変わった。


 簡単にいうとそういう感覚があったのだ。


「さあ、いよいよ美砂を復活させるぞ。そのためには皆の協力が必要だ」


 俺は蘭華をお姫様抱っこで抱え上げ、そのまま優奈たちが待っている部屋へと戻った。







「あ、先輩、って、なんで裸なんですかっ!」


 事後のまんま全裸状態で部屋を移動したので優奈たちから黄色い悲鳴が上がる。


 誰も忌避の感情はもっておらず、初音にいたっては既に欲情し始めている。


「優奈、みんな、服を脱げ。今から全員で協力して美砂を復活させるぞ」


「ええっ! ど、どういうことですか?」


「説明するのも面倒だ。さっきも言ったがここにいる蘭華が美砂の正体だ。でも、お前らそれで納得できるか?」


「そ、それは」


「ちょっと、割り切れないのは確かですぅ」


「みーたんと、蘭華、ちょっと違う」


 優奈、舞佳、小雪。

 美砂と特に仲の良かった三人はその感情が強いようだ。


「そうだ。だから俺が今から蘭華と美砂を分離する。そうだな。優奈、小雪、舞佳。三人を中心にやるか。琴葉、全員が乗っかれるデカいベッドはあるか?」


「もちろん準備してありますわ。桃華、特別室にご案内を」

「かしこまりました」


 優奈、舞佳、小雪を中心にして、体を交わらせることで思念と気を高める。


 俺が愛したヒロイン達全員の思いを一つにして、俺の世界を完成させる。


 初音、彩葉、桜結美、涼花、琴葉、桃華。


 パスの繋がった全員の欲情が伝わってくる。どうやら理屈ではわからなくても、本能的にやるべき事は分かっているらしい。


 説明も碌にしていないにも関わらず、迷うことなく後をついてきた。



「よーし、まずは優奈、舞佳、小雪。服を脱いでベッドに上がれ」


「わ、分かりました」

「よく分かんないけどエッチで全部解決ですねぇ~」

「ん、お兄ちゃんの不思議、今に始まったこと違う」


 戸惑いは残しつつも迷いなく服を脱いでいく三人。


 その間に蘭華をベッドに放り投げ、初音と彩葉に受け止めさせた。


「きゃひんっ♪ もう亮二さん乱暴ですよぉ」

「ちょっと亮君、女の子乱暴に扱っちゃ駄目だよ」


「ははは。そいつはそんくらいの方が喜ぶんだ。さっきまで処女だったが、素質は初音や琴葉に迫るかもよ。ドスケベの才能がな」


「え、それは負けていられません。亮二さんの肉奴隷の地位は譲りたくないです」


「ちょっと初音何言ってるの?」


 初音も中々はっちゃけるようになったな。

 しかしそのセリフを受けた彩葉もちょっと興奮している。


 なんだか皆の心の動きが、より鮮明に分かるようになってきたようだ。


「お待たせしました先輩」

「脱ぎましたよー♪」

「お兄ちゃん、これから、どーするの?」


「美砂と蘭華を分離するためには皆の心が一つになる必要がある。まずは新しいハーレムメンバーである蘭華と打ち解けろ。体同士を密着させれば心も密着できるってもんだ」


「なるほどっ! 裸のお付合いって奴ですね! 舞佳はそーゆーの分かりやすく大好きです!」


 一番乗りは舞佳である。全部を脱ぎ払った状態で戸惑う蘭華に抱きつき、その頬にチュパチュパとキスをし始める。


「ふみゃっ! ま、舞佳ちゃん」

「蘭華ちゃんのほっぺ柔らかいですねぇ♡ ねえねえ亮二君、舞佳、蘭華ちゃんとキスしてみていいですか?」


「いいんじゃねぇの。まずはお口の中から仲良くなってやれ」

「はいなーっ!」


「はわわっ! 舞佳ちゃん積極的すぎませんか?」


 さしもの蘭華も舞佳のアグレッシブさにはタジタジのご様子だ。

 これはこれで新鮮味があって楽しいな。


「そんじゃ蘭華ちゃんの女の子ファーストキス、頂いちゃいますね♡」

「はわっ、んんむぅうう♡ ふみぃ♡ さっき亮二さんとファーストキスしたばっかりなのにぃ、もうセカンドキスされちゃいましたぁ」


「わ、私もしますっ! 先輩それで喜んでくれるんですよね。美砂ちゃん戻ってくるんですよね」

「小雪もする。みーたん戻ってきてほしい。蘭華とも仲良くなりたい」


 続いて優奈、小雪も蘭華に絡みつき、俺の命令を積極的に実行し始めた。


 だけどその命令はきっかけだ。三人が三人とも美砂に戻ってきてほしいと思っている。


 そして新たに加わった蘭華とも仲良くなりたい。

 どっちも本心だから実行に躊躇がない。


「ふわわ、お、女の子同士のキス……濃厚ですぅ」

「こんなこと躊躇なくさせるようになるまで調教するとか、やっぱりあんた鬼畜だわ」


 それを見ていた桜結美と涼花もモジモジしてせわしなく股を擦り合わせている。


 こりゃ腰が忙しくなりそうだ。


「おいお前ら、見学してるだけじゃ退屈だろ。桜結美、涼花を気持ち良くしてやれよ。琴葉も参加しろ」

「かしこまりました」


「うう、わ、私は初音先輩とだけなのに……命令なら仕方ないです」


「ちょ、ちょっと、私はそっちの気はないってばっ」

「うふふ、ご主人様のご命令ですわ涼花ちゃん。一緒に気持ち良くなりましょう。女の子同士ですからすぐに気持ち良くなれますわ」


 ブツクサ文句言いながらも行動に移す桜結美。

 即座に実行する琴葉。それを息をするように無言で手伝う桃華。


 抵抗してるのは言葉だけで興奮が隠しきれない涼花。


 ベッドの上では俺が愛してやまないヒロイン達が組んずほぐれつ。

 合計で10人にも及ぶ美少女達が粘液の絡み合いを始めている。


 こんな光景を夢見ていた。

 こんな光景を実現したかった。


 互いの気持ちを高め合い、倒錯的な欲望を叶え合う肉の宴。


 俺の下半身はもう準備万端だ。そのうち手伝い始めた初音と彩葉も加わって、蘭華はすっかりドロドロにされていた。


 そうしてパスの繋がった10人の美少女達の心が一つになっていく。


 俺は興奮ではち切れそうになる分身を前に突き出し、蘭華の中へと思い切り注ぐのだった。


◇◇◇


「はぁ、はぁ、はぁ……もう、足腰ガクガクですよぉ」


 蘭華を全員で抱くこと数時間。

 優奈、舞佳、小雪、初音、彩葉。

 桜結美、涼花、琴葉、桃華と。


 全員の尻を並べて何発も白の精を注ぎ込む。


 今は真ん中に蘭華を抱きしめながら、全員が俺の体にしがみ付いて絶頂の余韻にひたっていた。


 妖精さんパワーを自分のものにした俺はどれだけでも自由な発想のもとに美少女達を貪りまくった。


 そのおかげで体の内部には十分なエネルギーが溜まった感覚がある。


 言葉で正確に表現するのは難しいが、これで蘭華と美砂を分離させることができるはずだ。


「蘭華」

「ふえぇ? 亮二さん」

「やるぞ」


「ふぁーい♡」


 ぼんやりしている蘭華を引き起こして口づけを交わす。


 濃厚でありながら、エロスはなく、想いを込めたキス。


「ん…♡ 亮二さん…」


 ぼんやりとした光に包まれた蘭華の体が二つに分離し、見慣れた桜色の髪の女の子がもう一人の女の子に分かれていく。


 それは南国の海を思わせるクリアブルーの髪。


 ぼんやりとした目付き、無感情に見える動かない口元。


 しかしその内側にはちゃんと豊かな感情が潜んでいる。


「りょーじ? 美砂、どうしてたの?」


「あ……」


 その声を発したのは優奈だった。まだ意識がぼんやりしている美砂の手を握り絞め、ポロポロと涙を流し始める。


「美砂ちゃんっ、美砂ちゃんっ! よかった」

「ゆーな、美砂、心配かけた?」

「うん、でも、また会えるって信じてたよ」


「うん、美砂も、会いたかった」


「美砂ちゃん、また会えましたねっ!」

「みーたん、よかった」


「舞佳、小雪……美砂も会いたかった。もう一度会えて、嬉しい」


「気分はどうだ美砂」


「まだボーッとしてる。でも、全部分かった。美砂、偽物だった」


「偽物?」


「そう。美砂は蘭華の抜け殻だった。だから、美砂、感情なかったの、分かった」


「そんなことないよっ! 美砂ちゃんにはちゃんと感情があるのっ!」

「そうですよっ! 一緒に遊んだ時に楽しいって感じてたじゃないですかっ! それが感情ですよ! 何者にも代えがたい美砂ちゃんの感情ですからっ!」


「そー。みーたん、感情ない、違う。小雪達と一緒。みんな、友達。楽しい」


「ありがとう。また会えて、よかった」


 優奈たちの言葉によって美砂の心に温かい火が灯ったのが分かる。


 桜木美砂は一人の人間として、今日ここに誕生したのだ。


 これで全ては完璧だ。


 ミッション完全コンプリートだぜ。



しい!

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