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第23話◇自分がクズだってのは分かってる◇

 思いがけないチャンスが巡って初音はつねの爆乳とファーストキスを堪能することができた。


 非常に素晴らしかったのであるが、やはり消化不良感が残ってしまっている。


 できれば舞佳まいかあたりを捕まえて仕上げのセックスをしてしまいたいところだ。


 やはりそういうゲームの世界に転生したとはいえ、自分以外の男が好きだ好きだと言い続ける女を抱くのは良い気分じゃない。


 奪い取る快楽は一時的、刹那的だ。奪い取ることそのものに快楽を覚えてはいるものの、それが主目的になってしまってはダメだ。


 そもそも俺は寝取りや寝取られは大嫌いなのだ。


 主人公のことは嫌いだが、憎んでいるわけではないし、不幸になってしまえとも思っていない。


 アイツは単に思慮とデリカシーが足りないだけの普通の男だ。


 悪人でないところが一層たちが悪い。


 いっその事死んでしまえと思うほどの悪人だったら排除に躊躇しなくて済むのだが。


 余裕があったらあいつに新しい恋人ができるようにサポートするのも良いかもしれない。あくまで余裕があればだが。


 本来はあの中の誰かと結ばれる予定の男だ。全部奪って可能性を潰す以上、そのくらいのことはしてやりたい。


 え? じゃああの中の誰かと上手くいくようにサポートすれば良いんじゃないかって?


 やだよ。だって攻略ヒロイン全員とハーレムするのが俺の夢なんだから。それとコレとは話が別だ。


 だから主人公は彼女達の誰とも関係しないところで幸せになってもらえばいいんだよ。


 もう攻略ヒロインとサブヒロインは全員俺のにするって決めてるからな。


 他人の幸せの為に自分の最高を妥協する理由なんてどこにもない。


 ましてや俺にはそれができるんだから。


 なに? 主人公に対して言ってることが全部自分に跳ね返ってるだと?


 そんな事はわかっとるわい。


 自分がまともな人間でない事なんて俺自身が誰よりも分かっている。


 俺は我が儘で身勝手で、他人の決まっている人生を平気で奪うサイコパスだ。


 だからせめて決まっていた幸せを奪う分だけの埋め合わせくらいはするさ。


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