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VS ポコポコ様 Round3⑦

PM 0:43

東京都下 市街地上空1000m付近

戦闘用ヘリコプター8機が、浮游するポコポコを囲む。そして左右の翼の下に取り付けられたガトリングガンで発砲。数万発の弾丸がポコポコを襲う。しかし弾丸はポコポコの体をよろいのように覆う邪気によって防がれ、軌道が変わり、遙か空の上へと愚直に進んだ。


両腕を広げるポコポコ。邪気の鎧が拡散し、無数の刃となって戦闘用ヘリコプターを切り刻む。8機全てバラバラになり、爆破。地面に墜落した。


戦闘用ヘリコプターと入れ替わるようにF-15戦闘機が3機飛来。ポコポコ目がけて誘導弾ミサイルを発射する。ポコポコは邪気を手の形に変え、接近してきた誘導弾をキャッチ。ダーツを投げるかのように戦闘機へ投げ返した。誘導弾に搭載された推進装置で進むよりもポコポコが投げるスピードのほうが早く、F-15戦闘機は3機とも回避行動をとる隙なく誘導弾と正面衝突。機体が大破し、ヘリコプターと同じ最後を辿った。


地上では自走式対空砲が数十台稼動し、背の低い建物が並ぶ住宅街から誘導弾を射出。ポコポコに引き寄せられるかのように飛ぶが、ポコポコが発生させた邪気の竜巻に飲まれて真っ直ぐ飛べなくなり、誘導弾同士が衝突し爆散。ポコポコは竜巻を消失させると同時に、かざした両手から邪気のレーザーを自走式対空砲に向けて放つ。黒い光線が地面に当たり、数十台の対空砲を一瞬にして塵に変えた。


ポコポコの反撃を食らい、自衛隊による攻撃が一時的に止まる。ポコポコは両方の肩を大きく回して関節をゴリゴリと鳴らした。



ポコポコ「日本を潰すのなんて2時間もあればできると思っとったけど、まだ東京すら制圧できとらん。先は長いなぁ。邪気を節約するか、休み休み戦わんとかもな」



文句を垂れるポコポコの後方斜め下より、ステルス爆撃機が迫る。爆撃機の両翼に搭載されたチェーンガンが火を噴き、無数の弾丸がポコポコを狙う。が、発砲音に気づいたポコポコは振り向くと、体の正面を隠すように円形に邪気を展開。弾丸から身を守った。


ステルス爆撃機はポコポコの左横を突っ切り、高度を上げる。上空1500mほどまで昇ると、機体下部のハッチを開き、おびただしい数の誘導弾をばら撒いた。降りかかる誘導弾の雨を避けるべく、ポコポコは空中を蹴って素早く横に移動。ステルス爆撃機は動き回るポコポコを追跡しながら、誘導弾を撒き続ける。


ハッチが閉まり、機体から流るように出てくる誘導弾が止まったのを見たポコポコは、邪気のレーザーで反撃。ステルス爆撃機は旋回しながら急激に高度を下げてレーザーをかわす。


位置関係が逆転し、ポコポコは上空からステルス爆撃機を狙って邪気のレーザーを連射。しかし、ステルス爆撃機には命中せず、ギリギリのところでかわされ続ける。



ステルス爆撃機 コックピット内

ポコポコの姿を視界に捉えながら、目にも止まらぬ操縦桿そうじゅうかん捌きでステルス爆撃機を操るハルミ。



ハルミ「邪神・ポコポコ、予想していた以上に危険じゃな」



右隣の席に座るシゲミは、左右のひじ掛けについた操縦桿でチェーンガンを操作し、ポコポコに攻撃を続ける。



シゲミ「ババ上は回避に専念して。ポコポコは攻撃にも邪気を使う……ヤツに攻撃させ続けることでも邪気を削れるから」


ハルミ「簡単に言いおって。アタシャじゃなきゃとっくに撃ち落とされとるぞ。じゃが、孫の頼みとあっちゃ本気を出すしかないのぉ」



まるでわしのように、空を自由自在に高速で飛行するステルス爆撃機。その動きを見たポコポコは、レーザーで攻撃してもらちが明かないと感じた。



ポコポコ「動きキレッキレやん。さっきまでの飛行機とは運転技術にえらい差があるなぁ。ほんなら、別のり方を試してみよか」



ポコポコは右手を開いて、頭の上に伸ばした。手のひらから小さな邪気の球体が、噴水のごとく大量に放出される。球体は雲の上まで昇り、見えなくなった。


突然ポコポコの攻撃が止んだことに違和感を覚えたハルミ。ステルス爆撃機を滞空させ、コックピットのガラス越しにポコポコを観察する。



ハルミ「……何か仕掛けてくるな」


シゲミ「……」



雲を突き破り、巨大な黒い球体が現れた。直径500mはあろう、惑星のような球体。数は200を超えている。


ポコポコが高く上げていた右手をステルス爆撃機のほうへかざすと、巨大な球体はゆっくりと動き出した。

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