最近、とある自家焙煎のカフェ店のオーナーの話を聞く機会があった。
彼が言う事に、コーヒーの焙煎技術の評価は、実際の味の優劣ではなく、如何にお店にお客が呼び込めるかで評価されるという。
たとえば、旨いコーヒーを出している自負があっても結局は、
「貴方のお店には月に何人のお客様がくるのです?」
……という、すぐに数字での勝負の話になるそうなのだ。
実際には、宣伝の優劣や店の立地条件、店のオシャレ度合いなどでも来客数は大きくかわるので、来客数における味の比率はどれくらいなのか分からないらしい。
また、運よく一度でも人気店になれば、客は客を呼ぶ。
そして、そういう店の珈琲は間違いなく美味しいということになるらしいのだ。
……そう言う事情も多々あって、コーヒーの味に詳しい人によると、人気店が必ずしも旨いのではないらしい。
店の名前に権威がでると、それを味わってないのに、あたかも凄い事のように持ち上げる人は多い。
先日、某サイトでも「元・出版社の編集」と自称する人のエッセイが人気を博した。
だが実際には、有識者の何名かにより「実は事情に通じてない者のエッセイでは?」と、疑問が投げかけられる内容だったのだ。
まぁ、知らない他人の評価も情報の一つだが、たまには自分で評価したり味わったりすることも大切なのかもしれない。
自覚はないが自分も含め、人間は権威に盲目なのである。