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第34話・限界突破!

 ――妄想の限・界・突・破!!!

 ――煙deポンッ!!!


「ぅおっしゃ~~~! 妄想力オタクパワーなめんなコラァアアア!!」


 その時ウチは、両手に拳を作りガッツポーズで天を仰ぎ叫んでいた。


 一瞬、『これ、思い返したら絶対に恥ずかしくなるヤツだ』なんて思ったけど、その時は感情を抑える事ができなかったんだ。


「亜紀ぴ、沸いた! めちゃテンアゲ~」

「うむ、やりおる」


 上手くいってよかった。これまた奇跡みたいなものだよ。


 そしてこのは、紛れもなくあの時のタルボサウルスだ。


「でも、半端なく体力と精神力が削られたわ……」


 時間はかかるし発汗はナイアガラだしで、シャツもパンツもびしょびしょ。チョコを食べさせる余裕がある時は、その方が断然効率がいい。


 ……と言うか、妄想法はできるだけ使わないようにしないと体がもたないな。


 タルボのジュラたまは、これまた珍しい白と黒のマーブル模様だった。しっかりと指にはめてエンゲージしてライズ化完了!


うっし~(ミノタウロス)。ごめんやけど、仲間のとこまでタルボちゃん頼めるかな?」

「うむ、頼まれよう!」


 そういうとミノタウロスは、眠っているタルボをそっと抱き上げた。


「……そこでお姫様だっこだと⁉ ウチは米俵やったぞ。ったく、ジュライチ来たわ」

〔米俵亜紀……いえ、八白亜紀。そんなことでジュライチ更新しないでください〕

「おい、今わざと名前間違えただろ!」

〔噛みました〕

「噛んでねえよ!」


 ……ったく、今度はなんだよ。


〔今のその力が本来のあなたの能力です〕

「だけどクタクタやで。それでいてタルボちゃんは完治してないし。体力回復効果も考えるとチョコ一択だよな」

〔それでも、自力で可能にしたという実績はこの先役に立つでしょう〕


 女神さん、たまに不意打ちでいい事を言うよな。


 実績、か。これがティラノを取り戻す原動力になればいいんだけど。


「あら……。これはなんですの? なぜわたくしは……」

「お、タルボちゃん気がついたね」

「タルニャー! 元気ニャ?」

「もしかしてわたくし、誘拐されているのですか?」


 そう来たか。まあ、ミノタウロスの顏ならそう思っても仕方ないかもしれないが。……ちょっとだけ同情するぜ。


「タルボちゃん、ウチの事わかる?」

「え~と、脳味噌のないウザカス。でよろしいですか? 前のマスターがそう呼んでいたのですが。それって、“脳味噌のない”が名字ですの?」

「……そこは全力で否定する!」


 つか初代はつしろ新生ねおのやつ、ウチをなんだとおもってんだよ。


 タルボに関しては色々気になる事はあるけど、とりあえずなにがあったのかは聞かないでおこう。なんとなく想像はつくし、思い出させるのは精神的にもよくない。


 ましてや、無暗に傷口を触られるのはホント苦しいからな。初代新生と対峙する時は極力うしろにいてもらった方がいいかもしれない。



 ま、それはともかく……




「ようこそ。チーム猫耳恐竜へ!!」






 world:02 この娘が味方であの娘が敵で。 完

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