「ヤバ!!」
机の中も、鞄の中を見ても、次の授業で使う教科書もノートも見当たらない。
ーーノートはなんとかなるけど……。
他のクラスの友達から借りるという手もあるが、残念ながら高校入学からここ3ヶ月がたつのに、俺はまだ『友達』ができそうにもない。
あれこれ考えている間にも時間は進む。
ガタガタ
「え?」
俺の隣、俺の所属する班の班長さんである、白山雪さんがなにも言わずに机を俺の机にぴったりとくっつけた。
「はい。これで見えるでしょ?」
「あ、ありがとう……」
「どういたしまして」
にっこりと俺に微笑む白山さん。
班長として困っている俺を放っておけなかったというのは有ると思うけど、そのさりげない心遣いが本当にうれしい。
先生が来るのを前を向いて凛とした表情で待つ白山さん
「ん? どうかした?」
少しだけ頬を桜色に染めた白山さんが、ちょっとだけ首をかしげて俺に微笑みかける。
ーーあっ……。
白山さんのその微笑顔を見た瞬間、胸の奥でキュッ!! と音が鳴ったとおもったら、表現できない暖かなものが沸き上がる
こうして俺は