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第8話:江戸のキャラデザ、アニメの表情

(背景:工房の片隅。左平が何枚かの浮世絵を広げ、健太郎と向かい合って座っている)


健太郎「おぉー、こうして並べると、江戸時代の人物画って意外と個性的ですよね。特に顔のデザインが面白い!」


左平「むろんじゃ。人の顔はただありのまま描くのではなく、その者の“らしさ”をいかに引き出すかが肝要よ。」


健太郎「アニメのキャラデザと同じですね! 特徴を際立たせるために、あえて強調したり、形を変えたりするんです。」


左平「ふむ、例えばこの東洲斎写楽の役者絵を見よ。目をぎょろりと大きく、口元を強調し、顔の輪郭も誇張しておる。」


健太郎「うわ、すごい迫力……! なんかアニメの“変顔”シーンみたいなインパクトがありますね。」


左平「そうじゃ。芝居の中で役者が見せる一瞬の表情を、より印象深く残すために工夫を凝らしておるのじゃ。」


健太郎「アニメの『止め絵(とめえ)』と似てますね。大事な場面では、あえて動きを止めて、キャラの表情を強調するんです。」


左平「ほほう、それは面白い考え方よ。さらに、わしらは“顔の向き”や“筆の勢い”でも感情を表すのじゃ。」


健太郎「あ、それもアニメと同じだ! たとえば、下から見上げるように描けばキャラが威圧的に見えるし、逆に上から見下ろすようにすると弱々しく感じるんですよ。」


左平「ふむ、それは舞台の演出にも通じるな。歌舞伎では“見得(みえ)”という動きを取り、役者が一瞬静止して表情を強調することで、観客に強く印象付けるのじゃ。」


健太郎「あー、それ、アニメの“決めカット”と一緒ですね! かっこいいシーンで、キャラが動きを止めるのって、まさに見得の考え方だ!」


左平「ふふ、お主、なかなか筋がよいのう。だが、人物を際立たせるには、顔だけでなく衣装や姿形にも工夫が要る。次は“装いと姿”について話してみるか?」


健太郎「おお、それめっちゃ気になる! 江戸時代の服や髪型って、キャラの印象を決める大事な要素ですよね?」


(次回へ続く——江戸の衣装デザインとアニメのキャラのシルエット!)

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