(背景:現代のアニメーター・健太郎が資料を調べていると、不思議な渦に巻き込まれ、気づけば江戸時代の工房にいた……)
健太郎「……え? ここどこ? え、待って、畳!? 木の壁!? っていうか、着物のおじさんがいるんだけど!」
左平「妙な恰好の若ぇのが現れたな。お前、どっから来たんだ?」
健太郎「えーっと、俺は健太郎。現代でアニメーターをやってます。絵を描いて動かす仕事っすね……って、もしかしてマジで江戸時代!?」
左平「あにめえたあ? なんだそりゃ。絵師ってことか?」
健太郎「まあ、そんなもんです。でも江戸時代の絵って、静止画だけど動きがすごく伝わるんですよね。」
左平「ほう、なら『鳥獣戯画』を見たことがあるか?」
健太郎「あっ、カエルとウサギが相撲してる、あの絵巻ですよね! 動きがめっちゃ自然で、生き生きしてる!」
左平「そうそう。あれは場面を順番に描いて、物語を流れるように見せる技法じゃな。絵巻物はまさに今のお前の言う“動く絵”に近い表現なのさ。」
健太郎「確かに、アニメのコマ割りに通じるものがありますね。」
左平「さらに江戸時代になると、『浮世絵』が発展した。北斎の『富嶽三十六景』なんかは知っておるか?」
健太郎「もちろん! あのダイナミックな波の構図とか、アニメにもめっちゃ影響を与えてますよね。」
左平「そうじゃ。北斎は静止画の中に動きや奥行きを生み出す工夫をしておった。お主の仕事にも似たような工夫があるんじゃないか?」
健太郎「めっちゃあります! 江戸時代の絵師も動きを意識してたんですね。面白いなぁ……もっと詳しく知りたいです!」
左平「ははは、気に入ったか。なら、次は“絵巻のコマ割り”について教えてやろう。」
(次回へ続く——絵巻物とアニメのコマ割りの関係に迫る!)