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第20話

 最近はいろいろとキャリア内の規則が厳しくなったようで、郊外店でもかなりのスタッフ人数を揃えて営業されている店が多いですが、私が勤務していた当時は平日なら開店から閉店まで一人きりの営業もザラでした。開店準備も含めて、約11時間ずっと一人勤務の超ブラックな環境も珍しくはありませんでした。

 決して小さな代理店ではなかったのですが、常に複数人数が居るなんて駅前店くらいです。


 なので、郊外店勤務が主だった私には経験がないのですが、繁華街などの客足の多いお店で複数のスタッフが常勤しているところでは、店員(主に女性)を指名してくる常連さんが普通に存在するらしいのです。

 携帯電話屋は健全な、しかもチャージ料金の要らないキャバクラか何かと思っておられるのか、他に手の空いている店員がいても「いいから。あの子が空くまで待ってる」とお目当ての女性店員の接客しか頑なに受けようとはされない。


 そして、一度来られると電話とは全く関係の無い話を中心に、1時間でも2時間でも居座り続ける。正直、営業妨害ですね……。

 しかも、そういう方はご指名のお姉さんが店を辞めてしまうと、契約していた電話を当たり前のように解約しようとし、その際に発生する解約手数料へ文句を言ってくる始末。携帯の契約=お気に入りのお姉さんと自由にお話出来る権利、とか思っておられたのかな?

 まあ、確かに、自分が契約したお客様だとそうそう邪険には出来ませんし、店員側からしてもある意味、携帯電話を盾にされているようなものだったりします。


 世間話に来られる方は郊外店でもよく居られましたが、相手を選べるほど店員が居なかったので指名が無かっただけマシかと思えてきますね。


 この世間話に来られる方もいろいろで、料金収納を窓口払い(コンビニでも払えるのにわざわざショップに来る)にして、毎月同じ時期に来られる方が一番多いのですが、中でも少し手の込んだ方になると最新の総合カタログを隅々まで目を通した上で、細かい質問を話の切り出しとして持ち込んで、そのまま何時間も(店が混むまで)居座り続けるという強者もおられました。

 ショップに暇潰しに来る口実として毎回かなり隅までカタログを読み込まれていましたが、そこで得た知識は一体どこで使うつもりなのかが気になるところです。


 ただまあ、こういったお話好きの常連さんは時間に余裕のある方がほとんどですし、他のお客様が来られた場合は「いいよ、行ってあげて」とさっと身を引いて下さるし、何ならポスティング用のチラシを折りながらの雑談も許して下さったりと、仕事の邪魔度は低かったです(決して、ゼロではない)。



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