「悪かったな。ありがとう」
春樹は2匹の頭を撫で、ベットに連れて行き、ブランケットを2匹にかける。
「疲れただろ。眠な。わたしも風呂に入ってくるから」
クローゼットからジャージとタオルを持って、春樹は部屋を出る。いつもはゆっくりお湯に浸かってから、風呂場を出るのだが、適当にシャワーを浴びて髪を洗う。ドライヤーで髪を乾かしてから、1階に降りた。沢山のファンレター。小説家春へのファンレターだ。誕生日プレゼント。箱を開けると28色の色鉛筆。ファンレターの1つ1つを読む気にはなれず、そのまま箱を閉じた。
「いつの間にか。もう20時を過ぎていたのか。
夕飯。もういいか。わたしも寝よう」
明日のことは明日考えよう。死んでしまった人は生き返らない。春樹は再び2階へあがり、自室へ。ベットの上の2匹を抱き上げ、一緒に布団に入る。
「暴れるなよ」
スマホのアラームを8時30分にセットして、春樹は目を閉じる。現実から逃げるように。翌朝、春樹は人生最高の驚きを2匹から提供される事になる。じじいが残した手紙に書かれていた。この店に行き場のない者が来たら、住まわせてあげなさい。その意味を知る事になる。じじいが異世界カフェなんていう妙な名前にした意味も。