光と優は廊下を駆け抜けながら、女子更衣室から全速力で逃げていた。優は顔を真っ赤にしながら、先ほどの恥ずかしい出来事をどうしても頭から追い出すことができなかった。

優：(息を切らしながら)「な、なんで女子更衣室なんだよ！？」

光：(笑いながら走る)「だから言ったでしょ！いい隠れ場所だったのに…『考える力』がないのが問題だね。」

優は苛立ちながらため息をつき、光のペースについていこうと必死だった。

優：「で、今度はどこに連れていくつもりなんだよ？」

光：(いたずらっぽく笑いながら)「もっと素晴らしい場所！信じて！」

優：(疑わしげに)「全然安心できないんだけど…」

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ようやくたどり着いたのは、使われていない小さな教室だった。机が積み重なり、学校の備品が詰め込まれたその場所は、隠れ家というより倉庫のように見えた。光は素早くドアを閉め、椅子で入口を塞いだ。

光：(得意げな笑みを浮かべて)「よし！これで安心！」

優：(辺りを見回しながら)「ここかよ…。これ、隠れ家じゃなくてただの倉庫だろ。」

光：「そうだよ。誰もこんなところ探さないでしょ？」

優が返事をしようとした瞬間、外から足音と低い唸り声が聞こえてきた。二人は息を潜めながら、影がドアの前を通り過ぎるのをじっと見つめていた。

優：(囁きながら)「どうしてあいつら俺を追いかけてくるんだ？意味がわからない。」

光：(小声で)「もしかして…君の“エネルギー”を感じ取ってるのかも。さっきのこと覚えてる？カナデみたいにエネルギーを放ったでしょ。あれが呼び寄せたのかもね。」

優は自分の手を見つめながら、先ほど戦いの中で奇妙なエネルギーを放った瞬間を思い出した。

優：「でも、どうしてそんなことができるんだ？俺にはそんな力、ないはずなのに。」

光：(面白がったように)「もしかして、カナデの秘密の弟子になっちゃったとか？でも、その割にはまだまだ修行が足りないね。」

優：(怒り気味に)「これ、遊びじゃないんだぞ！」

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突然、大きな衝撃音がドアから響き渡り、二人は飛び上がるように驚いた。怪物たちが隠れ場所を見つけ、ドアを破ろうとしていたのだ。

優：「マジかよ…！完全に詰んだじゃん！」

光：(ポケットから小さな光る結晶を取り出しながら)「大丈夫、作戦はあるから。」

優：(呆れながら)「それ、何だよ？」

光：「テレポート用のクリスタル。カナデからもらった非常用のやつ。でも…」

優：「でも、何？」

光：(苦笑いしながら)「安全な場所に飛ばされるけど、どこに行くかはわかんないんだよね。」

優：(叫びながら)「何でそれをもっと早く言わないんだよ！」

二人がさらに口論しようとしたその瞬間、ドアが壊れ始めた。光は迷うことなくクリスタルを起動させ、眩い光が二人を包み込んだ。怪物たちが教室に突入した時には、二人の姿はもう消えていた。

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光が消えると、優と光は全く違う場所に立っていた。静かな森で、透き通った青空が広がり、近くには川のせせらぎが聞こえる。

優：(周囲を見回しながら)「ここは…どこだ？」

光：(肩をすくめながら)「さぁ。でも、少なくとも怪物はいないでしょ？」

優：(深いため息をつきながら)「もう、君を信じるのやめたほうがいいのかな…。」

光：(ニヤリと笑って)「でも、いい脱出劇だったでしょ？」

二人が言い争っていると、後ろで葉を踏む音が聞こえた。振り返ると、見覚えのある人影が立っていた。

カナデ：(腕を組みながら)「こんなところに飛ばされてたのね。」

優：(驚きながら)「カナデ！？どうやってここに来たんだ？」

カナデ：(真剣な顔で)「安全に隠れていろって言ったわよね。それが勝手にテレポートするってことなの？」

光が一歩前に出て、両手を上げながら無邪気な笑顔を見せた。

光：「まぁまぁ、落ち着いて。全部うまくいったんだから！」

カナデは深くため息をつき、額に手を当てながら小声でつぶやいた。

カナデ：「これ、思ってたよりも厄介ね…。」