廊下に響く足音が二人の緊張感をさらに煽る中、ヒカリは強引にユウの腕を引っ張って進んでいた。外の状況は混乱そのものだったが、校舎の中は妙に静まり返っていた。ヒカリには何やら計画があるようだが、その自信に満ちた表情にユウは不安を隠せない。

ユウ: （息を切らしながら）「どこに行くんだ、ヒカリ！？ これじゃただの無謀だ！」

ヒカリ: （大きな笑顔で）「信じて！ ここなら安全だから！」

角を曲がると、ヒカリはある扉の前で立ち止まった。その扉に貼られた看板を見た瞬間、ユウの顔は青ざめた。

ユウ: （慌てて）「ここ…女子更衣室だぞ！ 入るなんて無理だ！」

ヒカリ: （自信満々に）「だからこそ最高の隠れ場所だよ。普通こんなところで男を探そうなんて思わないでしょ。さ、早く入って！」

抗議する間もなく、ヒカリに背中を押され、ユウは扉の中に押し込まれた。中には柔らかな花の香りが漂い、ロッカーが並ぶその光景は、ユウにとって禁断の迷宮そのものだった。顔を真っ赤にしながら、ユウは周囲をキョロキョロ見回す。

ユウ: （小声で）「これは犯罪だ…！ 見つかったら終わりだぞ！」

ヒカリ: （気楽そうに手を振りながら）「大丈夫だって。誰もいないし、モンスターが入ってきたとしてもここなら見つからないよ。」

ヒカリは再びユウを押し、近くのロッカーを開けると、無理やり中に押し込んだ。そして彼女自身も狭いロッカーの中に滑り込む。二人が押し込められた狭い空間には、奇妙な緊張感が漂った。

ユウ: （小声で怒りながら）「なんでこんなことするんだよ！」

ヒカリ: （肩をすくめて）「簡単でしょ。ここが一番安全だと思ったから。」

ユウ: （さらに赤面して）「じゃあなんでお前まで入ってくるんだ！？」

ヒカリは照れくさそうに笑い、軽く肩をすくめた。

ヒカリ: （ニヤリと）「深く考えてなかったよ。でも…これ、ちょっと親密な感じでしょ？」

ユウは身動きを取ろうとしたが、狭い空間ではどこに手足を動かしてもヒカリに触れてしまう。焦るユウに向かって、ヒカリがさらに追い打ちをかけるように笑顔を見せた。

ヒカリ: （悪戯っぽく）「ねえ、その手、ちょっと失礼じゃない？ 別に嫌じゃないけど、まだそういう仲じゃないし。」

ユウ: （青ざめて）「ご、ごめん！」

手を動かそうとしたが、慌てた拍子にさらに妙な音を立ててしまい、ヒカリは思わず変な声を漏らしてしまう。

ヒカリ: （小さく笑いながら）「いやぁ、思った以上に面白いかもね。」

一方、校舎外ではカナデとリカがモンスターの群れを相手に奮闘していた。襲い来る怪物たちはまるで無限に湧き出るかのようだったが、二人の動きは止まることがなかった。それでも、カナデの中にはある苛立ちが募りつつあった。

特に手強いモンスターを相手にしている最中、カナデは不意に感情の爆発を感じ、いつも以上のエネルギーを放出して相手を粉砕した。

カナデ: （小声で）「なんでだろう…無性にヒカリを感電させたくなる…。」

その思考は、背後から迫る怪物の気配によって中断された。振り向く暇もなく、リカが現れ、一瞬でその怪物を切り裂く。

リカ: （真剣な表情で）「集中して。今は気を抜く時じゃない。少しの雑魚がヒカリたちの方に向かった。」

カナデは顔をしかめ、内心の不安を隠しつつ、冷静を装った表情で武器を構え直す。

カナデ: （冷静に）「フン。それなら早く片付けるだけだ。」

そう言いつつも、彼女の思考は自然とユウに向いていた。戦いながらも、彼の安全を祈る気持ちが漏れ出してしま

う。

カナデ: （小さく微笑みながら）「気をつけてね、ユウ。」

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エピソード終了