カナデとユウが会話を続け、感情が高まっているその瞬間、場の空気にわずかな違和感が漂い始めた。リカは少し離れた場所から二人をじっと見つめ、小さくため息をついた。彼女の視線は、カナデとユウを行き来しており、その表情には微かな不満が浮かんでいた。どうにか気持ちを抑えようとしていたが、その目には二人の近さに対する複雑な感情がはっきりと表れていた。

リカ：（小声で自分に言い聞かせるように）「なんでいつもこんなに近いのよ…」

しかし、その思いを振り払おうとしたその時、さらに予想外のことが起きた。隅でじっと状況を観察していたヒカリが、突然明るい表情でリカに近づいてきたのだ。その目には好奇心とエネルギーが溢れていた。

ヒカリ：（にこやかに）「やっほー、リカ！久しぶりだね！」

リカは一瞬困惑したようにヒカリを見た後、少し考えるような様子で彼女をじっと見つめた。そして、不意に心の中で抱えていた疑問をそのまま口に出した。

リカ：（戸惑いながら）「…あなた、私が見えるの？…本当に？」

ヒカリはその質問を聞くと眉をひそめ、しかし間髪を入れずにまるで当然のことのように答えた。

ヒカリ：（屈託のない笑顔で）「もちろん！なんで見えないと思ったの？」

リカはその何気ない返答に少し驚きつつも、すぐに気を取り直し、意を決したようにユウとカナデに視線を移した。場の雰囲気を切り替えるような真剣な声で、リカは話を始めた。

リカ：（真剣な表情で）「今はそんなことを話している場合じゃないわ。モンスターの数がどんどん増えてきている。このままじゃ危険よ。集中しなきゃ。」

カナデはリカの言葉を聞くと、すぐに真剣な表情に切り替わった。その場の空気が一瞬で変わり、彼女はユウの方に歩み寄り、彼の手をそっと握った。その手には温かみがあり、ユウに安心感を与えるような力強さが込められていた。

カナデ：（ユウを見つめながら穏やかに）「ユウ、ヒカリと一緒に安全な場所に行って。モンスターたちはここで私がなんとかする。でも、君は無事でいなきゃだめだ。」

ユウはその言葉に戸惑いながらも、カナデの手の温もりを感じていた。彼女が自分を守るために危険を冒そうとしていることに心を揺さぶられ、不安な気持ちが胸の中で渦巻いた。

ユウ：（心配そうに）「カナデ…危険だよ。君が傷つくのは嫌だ。僕だって君が必要なんだ…」

しかし、カナデはただ微笑んで答えた。その微笑みには、彼女の揺るぎない意志と、ユウを守り抜くという決意が込められていた。そして、ユウがさらに何かを言おうとする前に、ヒカリが彼の肩を軽く叩き、明るい声で話しかけた。

ヒカリ：（明るく）「さあ、ユウ。私に任せて！安全な場所があるから、今はそこに行かなきゃ！」

ユウはまだ不安そうだったが、カナデの真剣な表情に押されるようにして、ヒカリと一緒にその場を離れることを決意した。

ユウ：（ヒカリに向かって）「どこに連れて行くつもり？」

ヒカリ：（笑顔で）「ふふ、任せておいて！絶対に安全な場所だよ！」

二人が離れていくのを見届けたリカは、再びカナデに目を向けた。彼女はすでにモンスターたちに向き合っており、手に握られた刀が淡く光を放っていた。その姿はどこか神秘的で、圧倒的な存在感があった。リカはその背中を見つめながら、ぽつりと呟いた。

リカ：（小声で）「どこまで彼を守れるのか…見せてもらおうじゃない。」

カナデは振り返らずに答えた。その声は静かだが、揺るぎない力強さが感じられた。

カナデ：「彼に近づくものはすべて、私が斬り伏せる

。それだけよ。」

その場には緊張感が漂い、カナデの決意に満ちた姿が静かに輝いていた。