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一日目:生贄投票④

 ここにいる全員が、刺すような視線で彼をまなざした。


 コンクリートの打ちっぱなしで構成されたこの広い部屋の端で、泣きながら震えているツインテールの男を。


 男社会――特に今みたいに命がかかっている場所では、一度カーストが底辺に落ちたら最後、一生這いあがることはできない。





 みんな、誰も何も言わなかったけれど『もうあいつは終わりだ』と内心思っていたはずだ。







「みんな、生贄投票は済んだ~? もうすぐ六時だよ」

 自称ホストこと屑山が、少し声を弾ませて言う。自分は安全圏にいるからな。



 壁にかけられている時計の針が、ちく、たく、ちく、たく……そして、ちょうど六時になった。





 ――カ゛ラン゛、コ゛ロ゛ン、ギロ゛ン、ボロ゛ン。





 ここに連れてこられて目覚めてすぐに聞いたのと同じ、あの不気味なチャイムの音だ。その音が鳴り終わるのと同時に、バツン! と音がした。



 そして、ブラウン管テレビの画面に『生贄投票』の結果が表示される。

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