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ゲームのルール⑥

『バリネコはねぇ~めっちゃネコ。ちょ~~っとケツを突かれるだけで女みたいにアンアン言っちゃって、イキまくる生粋のネコのことだよ。前立腺だけじゃなくて乳首も弱いから、いじられると潮吹きしながら腰へこへこさせちゃって男なのに情けな~~いざーこ♡のドMのオス豚さんのことだよ』


「チッ。御託は良いからさっさと役の内容を紹介しろよ」

 苛立ちをおさえきれずに、低いドスの利いた声でりんちゃんがブラウン管テレビを睨みつける。


 こうなったりんちゃんは、もうキレて暴れる直前だ。まぁ、もともと沸点が低いからよくこうなるんだけど。もし、画面の中のうさ耳ピエロマスクがりんちゃんの目の前にいたなら、確実に胸ぐらをつかまれてこぶしを振り下ろされる寸前だろう。






『あーはいはいわかったよ。ちゃんと説明するね。バリネコは、ざーこ♡のマゾ豚だけど、ちゃ~~んと役割があります。バリネコだけは、バリタチに掘られても死にません』



 『死』と言う言葉にどよめく会場。




「え……マジで死ぬんすか?」

 ジャージの若い男が、ぽつりと漏らした言葉に



『当たり前でしょ、これはデスゲームなんだから』

 呆れた口調で画面の中のうさ耳ピエロマスクは答えた。







『言い忘れてたけど、タチはバリタチに掘られたら死にます。バリタチは、バリタチ投票で最多票を獲得するか、生贄投票で生贄に選ばれ、生き恥の椅子に拘束されたまま翌朝六時を迎えたら死にます。バリネコは、狩人にバリネコの部屋を守られると死にます』



「おい! それ、ずりぃじゃねーかよ!!!!」

 ふくよかで丸刈りの男が吠えた。


「狩人が序盤に死んだら、バリネコが圧倒的有利じゃねーか!!」



 そうだ、彼の言うとおりルールがあまりにもバリネコに有利すぎる。というよりも、タチ側があまりにも不利なのだ。オリジナルの人狼ゲームと違って、一度しか人狼バリタチを排除するための『バリタチ投票』ができないのだから……。





『まぁまぁ、ルールは最後まで聞いてね』

 慣れたのか、うさ耳ピエロマスクはさらりと流した。そして、話をつづける。







『このゲーム、ゲームの終了条件は三つあります』

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