――カ゛ラン゛、コ゛ロ゛ン、ギロ゛ン、ボロ゛ン。
それが鳴り終わると同時に、『バツン!』と音がした。デスゲーム系のホラー映画やマネーゲーム系の映画の冒頭で鳴る、あの音だ。テレビの電源が入る音。
打ちっぱなしのコンクリートでできた部屋に集められた僕ら十人の視線が、一点に集中した。無機質な部屋の端に置いてあるブラウン管テレビに映る、うさぎの耳がついたピエロマスクをかぶった一人の人間に。
『みなさん、ごきげんよう』
彼、もしくは彼女が口を開いた。その手の映画にありがちな、加工された声だ。太っているのも相まって、年齢はおろか男なのか女なのかすらも分からない。
動揺してざわめく僕ら十人を、うさぎの耳が付いたピエロマスクの隙間から冷たい目で見下しながら、彼もしくは彼女は言葉をつづける。
『これから、