いらっしゃいませ。私は案内役を務めさせていただきますライラ・ライトバックと申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本作は、いわゆるファンタジーRPGをベースにしております。
剣と魔法が支配する世界で戦士や魔法使い、僧侶、盗賊といった職業の人々がパーティーと呼ばれるチームを結成して、冒険に挑むというものです。多くのRPGでは、主人公はある種、特定の運命の下に生まれ、遅かれ早かれ世界の存亡がかかるような大事件に巻き込まれ、その過程で都合よく旅の仲間が登場し、自ら探すこともなくクエストが次々に目の前に現れます。
近年、そうした都合よくドラマチックに展開するストーリーへのアンチテーゼとして、俗にいうスローライフと呼ばれるジャンルが登場してもてはやされておりますが、本作はそのどちらにも当てはまりません。あえて分類するとすれば後者に該当しますが、スローライフ系としてはやや刺激が強めとなっておりますので、ご了承ください。
本作は、駆け出しのルーキー冒険者たちが悪戦苦闘する物語です。彼らは幼少期は冒険者養成学校や、それに準ずる教育機関で、それぞれの職業としてやっていくための知識や技術を習得し、18歳になると卒業して独り立ちするという設定です。所属していた学校や機関が後押しするところもあれば、自力でなんとかしなければいけないところもありまして、本作に登場する主な登場人物は、みな後者に該当します。意図的に厳しめの設定となっております。
そういう「なみひと通りの教育は受けたものの、いきなり18歳で社会に放り出され、自力でパーティーを結成し、クエストを獲得して経験を積まなければいけない」若者たちの目の前には、どんな障害が立ち塞がるでしょうか?という素朴な疑問からつむぎ始めたストーリーとなっております。
メンバーの思考や行動パターンは、一般的な18歳男子を想定し、それを誇張しております。若さゆえに多分に不快な表現があるかもしれませんが、その時は読むのをやめていただいて結構です。深呼吸をして、やはりもう読めないとなればそこで読了していただいても構いませんし、もう少しお付き合いしていただけるのであれば、またページをお開きください。もちろん、最後まで欠かさずお付き合いいただければ、これに勝る喜びはございません。
ちなみに、私も登場人物の一人として、後ほど改めてお目にかかることになります。相当、印象が違う形となると思いますが、これも演出ということで、ご了承ください。
それでは、本編をお楽しみください。