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第15話 それからしか得られない栄養がある

【配信アンケート。

 1.獄寺ちょこを助ける。(0%)

 2.獄寺ちょこを助けない。(100%)

 2.獄寺ちょこを助けないが選択されました。】


「ええええ!?」

 美織はアンケート結果に驚いた。

「た、助けないんですかぁ……?」


:ここは正直に回答した

:主の頼みと言えども……

:今まで散々迷惑かけられたしな

:てか、正直あんなやつもういらなくねw


「そ、そうなんですね……。」

 容赦ないコメント欄の回答に、美織は、そんなにこの人嫌われてたんだ……と思った。

 そして。


:おい、獄寺ちょこのチャンネル消えたぞw

:チャンネルBANきたコレwww

:配信どころかチャンネル消されるとかw

:メwwwシwwwウwwwマwww


「え!?獄寺ちょこさん、チャンネル消えちゃったんですか!?」

 美織が驚いていると、獄寺ちょこがようやく気が付いて体を起こした。


 そして自分の配信を確認し、チャンネルそのものが消えたことに焦りだす。

「き、消えたってまたすぐ作ればいいだけだし?サブあるからどうってことないし?」


 そう言ってなんでもないフリをして、サブチャンネルで配信を開始しつつ、SNSで誘導を開始したのだが……。


「な、なんですぐ消されちゃうのよ!?サ、サブチャンすらないなんて!?」

 サブチャンネルすらBANされてしまう。


 配信途中だったこともあり、BAN解除申請を待たずにチャンネルを作り直してみたのだが、何度作っても結果は同じだった。


 これってアンケートの結果が関係してるのかなと内心美織は気にしていた。助けるを選択されていたらどうなっていたんだろう?とも。運営が決めることなので、自分の配信アンケートで、BAN回避出来る筈もないが。


:顔BANきましたwww

:永wwwBANwww

:あまたの迷惑系と同じ道を辿ったな

:8回目まで永BANくらわなかったやつもいんのになw

:いや、ごっぴーちゃんねるは一発でサブもメインも永BANだったぞw


 迷惑系配信者だけあって、獄寺ちょこの永BANは、面白いエンタメとして受け入れられているようだった。

「う、うう……。」


 泣きながら歯噛みして、体を隠すことも忘れている獄寺ちょこ。そこに砂の下から移動しているタイラントクラブの気配が迫っているのを美織は感じ取った。


「獄寺さん!危ないから飛ばしますよ!」

「え?え?きゃあああああああああ!」

 タイラントクラブの突き上げが来る前に、獄寺ちょこを空中に飛ばす美織。


「やああああ!」

 砂の下から突き上げと同時に出て来たタイラントクラブを、正中線に沿って真っ二つに切り裂いた。崩れ落ちるタイラントクラブ。


 美織は空中から落ちてきた獄寺ちょこを、お姫様抱っこでキャッチした。

「危なかったですね!」

 ニッコリすると獄寺ちょこが頬を染める。


「べ……別にあんたに助けてくれなんて言ってないし?嬉しいなんて思ってないし?」

 と目線をそらしながら言う。


「チャンネル、残念でしたね……。これからちゃんとした配信をするなら、運営さんも考え直してくれるかも知れませんし、もし獄寺さんが人に迷惑をかけないって言うのなら、チャンネルが戻って来るまで、私と一緒にやりませんか?ファンの方も、獄寺さんが見られなくて、悲しむでしょうし。」


 美織がそう提案をすると、獄寺ちょこは口をパクパクさせながら、真っ赤になってしまった。美織を指さしながら、


「あ……あんたホントに、バッカじゃないの!?お人好しにも程があるのよ!あたしに散々迷惑かけられといてこんな……。」


「私、今までのことよりも、未来を考えて生きていたいので。獄寺さんが気持ちを改めるって言うのなら、それを信じたいんです。」


「す……好きにすれば。別にあたしは、やるともやらないとも言ってないから!感謝なんかちーっともしてやらないんだから!」

 とプイッとそっぽを向いた。


:ツンデレキマシタワー

:これは……百合の波動を感じるッ!!

:これは落ちましたわー

:可愛い女の子同士のイチャイチャでしか得られない栄養があるŧ‹"ŧ‹"(*´ч`*)ŧ‹"ŧ‹"


「み、皆さん何をおっしゃってるんですか!」

 美織は慌てたように手を振ろうとしたが、モザイクがかかった状態の獄寺ちょこを抱えていたので身動きが取れなかった。


 美織の腕に装着されたスマホが音を立てる。するとスマホの画面には、美織がまだ内容を打ち込んでいないにも関わらず、


【確定ドロップアンケート。

 1.タイラントクラブの身肉(ドロップ率8.3%)

 2.タイラントクラブの堅鋏(ドロップ率2.6%)】


 と書かれたアンケートが、配信画面に表示されていたのだった。


「来ました!タイラントクラブの身肉ですよ皆さん!ルカルカさんの為に身肉です!

 よろしくお願いしますね!」


「ほんと!?やったあ!食べたい!ぜーったい食べたい!みんなー頼んだよ~!」

 ルカルカも配信画面に向けて手を振った。


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この作品は読者参加型です。

アンケートで主人公の行動が決まります。


コメント欄にてアンケート回答よろしくお願いします!

さてどちらが選ばれるのか?(*^^*)


昨日だるくて寝てしまって、書き立てのホヤホヤです笑


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