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第14話 伝説の事故配信

「獄寺ちょこさんの人間の姿と、ダンVtuberのガワの両方が、配信に映ってる……?どういうことでしょうか?」


「な、なによこれ!?なんであたしの配信にあたしが2人映ってんの!?剣呑寺いおりはどこよ!?」


「あ、これって……。やっぱりそうだ。どうやら私の体が、獄寺ちょこさんのガワで映ってますね。私の動きに反応してます。」


:何がおきてんのかと思ったら、説明されてもよくわからん

:なんで別の人間に反応してるんだ?

:バグか?


 コメント欄も混乱している。そこに奈央から携帯に電話がかかってきた。

「奈央、ごめん、今配信中……。」


「わかってるよ、お兄ちゃんがしかけた獄寺ちょこ対策が、うまいこと反映したみたいだね。良かったわ~頼んどいて。」


「え?どういうこと?」


:お兄ちゃん?

:誰だ?

:獄寺ちょこ対策?

:なるほど、わからん


「あんたがいずれ有名になるのは時間の問題だと思ってたのよ。もしそうなれば、獄寺ちょこが真っ先に絡んでくることを、私は懸念してたのね。」


「うん。それとお兄さんがどうつながるの?」

 美織は奈央に電話越しに尋ねた。


「剣呑寺いおりの配信機器にはね、剣呑寺いおりの画像を持っていない配信機器を通して配信した場合、相手のガワを乗っ取るよう、ジャミングが仕掛けられてるの。」


「そ、そんなことしてたの!?」

「だって、素顔知られたくないんでしょ?ダンVtuberにしか使えない技だけどね、筆頭が獄寺ちょこだったから、それでとりあえずは対策としてはじゅうぶんかなって。」


「う、うん、助かったよ……。」


:超有能なバックがついている模様

:相手の配信に映された時対策で、いおりんも今後獄寺ちょこみたく仮面かぶったほうがよくね?


「確かに、そうかも知れません……。今回は親友のお兄さんのお陰で助かりましたけど、いつもそう出来るわけじゃないですもんね。」


「~~~……!こんっなこと!ありえない!人の配信にジャミングだなんて!」

 獄寺ちょこが自分の配信を見ながら歯噛みしている。


「これ以上邪魔するなら、私も容赦しませんよ。迷惑系なんてもうやめてください!」

 美織はキッと獄寺ちょこを睨んだ。


「嫌って言ったらぁ?」

 獄寺ちょこが顎にスマホを当てつつ、ニヤニヤと笑う。


「──切ります。」

 美織が剣を八相の構えで握った。

「はっ、そんなの……。」


 獄寺ちょこが隠密で姿を消した。──だが次の瞬間──スパスパスパスパ!

 美織に服を切り裂かれた状態で、獄寺ちょこの隠密がとかれて姿を現した。


「──隠密、ですよね?見えないように感じるだけで、そこにいる。目で見るんじゃなく、感じるようにすればわかります。砂に潜ってるタイラントクラブの位置を当てるのと同じことです。私に隠密は無駄ですよ。」


「きゃあああああああああ!」

 半裸の状態が自身の配信に載ってしまい、獄寺ちょこは慌てて体を隠すがもう遅い。


 美織の配信は、奈央の兄によって、BANをくらいそうな映像は、自動的にモザイクをかける仕様になっている為、体を隠してしゃがみ込んでいる獄寺ちょこの顔だけが、配信上で見ることが出来た。


:ちょ、獄寺ちょこと2窓してくる

:スタイルはいいよな、やっぱ

:ギャルに目覚めそう


「これに懲りたら、2度と迷惑系なんてやめて下さい!今度私たちに絡んで来たら、半裸じゃすみませんよ!」

 美織はキッと獄寺ちょこを睨んだ。


「ううう~覚えてなさいよ~。」

 獄寺ちょこはまだ全然諦めている様子がなかった。その時、獄寺ちょこの足元が、グググッと盛り上がる。


「あぶない!逃げて!」

 美織が叫んだが間に合わなかった。先程の爆撃でも倒されず、再び地面に潜っていたタイラントクラブの突き上げを、獄寺ちょこはもろにくらってしまった。


 その衝撃で弾け飛ぶ衣服。獄寺ちょこの配信は、四つん這いで尻を突き出して倒れている、ちょこの全裸をバッチリ配信していた。


:伝www説wwwの事故配信wwwww

:セクシービデオ上がり決定しますた

:ごちでーすwww

:草www

:草にwつけんな

:淫夢民黙ってもろて


「ご、獄寺さん……!」

 美織は慌てるも、獄寺ちょこにかけてやれるような布も服も持っていない。


「は、配信切って下さい!獄寺さん!BANになっちゃいますよ!?」

 そう声をかけるしか出来ない。そこへ、


【配信アンケート。

 1.獄寺ちょこを助ける。

 2.獄寺ちょこを助けない。】


 美織が何も打ち込んでいないにも関わらずそんなアンケートが突然表示された。


「え?た、助けるってどうやって?でも、助けられるなら助けてあげたいです!みなさんお願いします!」

 美織は自身の配信画面にそう叫んだ。


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