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第25話 かぼちゃのサラダ、カリカリチーズ蓮根と長芋、ピーマンのおかか白ごま和え①

「事前調査……ですか?」

 俺は冒険者ギルドに呼び出され、受付嬢から話を聞いていた。

「最近、事前調査の結果よりも、群れの数が多かったり、本来いる筈のない魔物が出たりして、ランクの低い冒険者が危険な目にあっているんです。」


 俺も何度か遭遇したな。というか、ロンメルから聞いたばかりの話だ。

「冒険者ギルドから人を派遣したり、Cランクまでの冒険者に募集をかけたりしているんですが、依頼の数が増えすぎて限界になってきてまして……。」

 受付嬢が申し訳無さそうに眉を下げる。


「本来ならば、そういう時は事前調査に行かないこともあるのですが、状況が思わしくなくて。」

 普段出る魔物が決まっている地域ならば、事前調査がなくても行かれた筈が、数が多かったり、普段いない魔物がわいて大変になっているということか。


「そこで、Cランク以上の冒険者の皆さんは協力をあおぐ形、Bランク以上の冒険者の皆さんは強制的に、事前調査をお願いすることに、このたび全国の冒険者ギルドで決まりました。」

「なるほど、よく分かりました。」

 俺はうなずいた。


「事前調査はクエスト受注料も安いですし、通常であればギルド内で解決すべきことで、ランクの高い冒険者の方たちに、お願いするようなことではないのですが……。

 もしも事前に依頼のあった魔物よりも強い魔物が出た場合は、そのまま討伐に切り替えていただいても結構ですので。」


「俺1人で行っても大丈夫ですか?」

「いえ、今回だけは、もしも予定外にランクの高い魔物が出た場合と、それを冒険者ギルドに即時報告していただき、把握する観点から、必ずパーティーを組んでいただきます。

 メンバーはこちらでご用意させていただきますので。」


「組みたくない相手だけは、指定することが可能でしょうか?それ以外の相手でしたら、どなたでも結構ですので。」

「ああ……はい、ジョージさんは……。

 はい、この3人だけは外して欲しいということですね、承っております。」


 良かった。

 例のパーティーと組まされたりなんかしたら、たまったものじゃないからな。

「討伐に切り替えた場合は、クエスト受注量と報奨金も別途発生いたします。

 明日、同じ時間に受付までいらしていただけますか?パーティーメンバーを紹介いたしますので。」


「ちなみに、どのあたりになるのか、もう決まってるんですか?事前の準備が変わってくるのですが。」

「あ、そちらの説明がまだでしたね、失礼いたしました。

 今回ランクの高い冒険者の皆様には、町から遠い場所をお願いすることになります。基本泊まりを想定いただければと。」


「泊まり……ですか。」

 この世界で外で泊まるなんて初めてだな。

 キャンプ用品を持っていくのは、さすがに目立つからまずいよな……。

 それに食べ物も用意しなくちゃならない。現地で調達してもいいが、ある程度食料が手に入らなかった時のことも、考えなくてはならないだろう。


 別に俺はその場で出すことが出来るが、1人じゃないだけに、目の前でポンポン出すわけにもいかないだろうしな。

「野営が初めてなのですが、他の冒険者の皆さんは、荷物や食料などは、どうされているんでしょうか?」

 目立たぬように、参考にしたい。


「昼はお弁当を持っていかれる方が多いですね。夜以降は、現地で調達したり、携帯食料や、長期間保存出来る干し肉などを持参されたり、お酒を持参されたりと様々です。

 携帯食料でしたら、あちらの受付で販売もいたしておりますが、お買い求めになられますか?」


「ああ、はい、じゃあ、一応……。」

 酒か。体を温めたり、何もない時の手っ取り早いエネルギー補給なんだろうな。

 俺は冒険者ギルドの受付カウンターで、携帯食料を3日分購入して、アイテムバッグに入れた。

 一応何があるか分からないし、パーティーメンバーに渡すこともあるだろうからな。


 俺は雑貨屋に寄って、明日の準備をすすめることにした。

 まあ、一般的に考えて、明かり、火、水、寝袋、小さなフライパン、食器、調理道具を兼ねたナイフ、まな板、虫よけってとこか。

 1人ならソロキャン用の耐水圧2000mlのテントを持っていくところなんだが。



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